慶應義塾大学 看護医療学部 AO入試 志望理由書 提出例(永田 智子研究会向け) 

■ 議論の整理・・・
近年、生活習慣病等の慢性疾患の有病者数が増加している。しかし、医療技術の進歩により、在院日数は短縮し、在宅医療へと移行する場合が多くなっている。病気を治すだけでなく、その後の生活を支える医療が求められている。また、医療の進歩により、昔よりも病院で延命できるようになったが、いたらずらに延命するよりも、在宅で家族に介護や世話をしてもらいたいという在宅療養の希望も多いという。また、家族形態の変化により、介護の担い手不足や療養者を支える基盤が弱くなっている。少子高齢化や核家族化や女性の社会進出などの影響で、家族だけで高齢者や療養者の世話をするのが難しこともある。永田 智子教授の論文※では居宅介護支援事業所利用者における,介護支援専門員によって判断された訪問看護の必要者の特徴を明らかにしている。

■ 問題発見・・・
では、これからの在宅看護において、重要な事は何であろうか。

■ 論証・・・
在宅看護・医療では各専門職同士の連携が重要であると考える。特に、首都圏では近隣住民との関係は希薄化し、孤立が進んでしまう高齢者や療養者にに対しては、看護師・医師・薬剤師・理学療法士などの専門職が連携し支えることが必要である。縁もゆかりもないグループホームに入居するよりは、住み慣れた地域で療養したいという方は多いと考えられる。集約的に管理するのではなく、ひとりひとりを尊重し、連携を強化し包括的にケアを提供するべきである。例えば、様々な合併症を持つ方は多くの薬を併用している。それにより、転倒リスクが上がったり、認知機能が低下したりする副作用もある。お薬手帳やかかりつけ薬剤師などを利用して、不要な薬を減らし、重複している作用の薬を確認し、適宜調整することが重要である。単純に疾患に対して投与するのではなく、副作用によるQOLの低下も考慮した治療選択が必要である。さらに高齢者の場合、腎・肝臓機能の低下により、薬物が体内から排泄されずに蓄積されることがある。そのため、薬剤師や看護師が体内薬物動態の変動を定期的にチェックし、病態に合わせた服薬管理が求められる。

■ 結論・・・
以上より、在宅看護において、住民ひとりひとりに適切なケアを提供するには、コミュニケーションを重視し、多職種で連携する必要があると考える。

■ 結論の吟味・・・
永田 智子教授に師事することで、在宅看護について学ぶことができると考え、慶應義塾大学看護医療学部への入学を志望している。

※永田智子,田口敦子,成瀬昂,桑原雄樹,村嶋幸代.介護支援専門員の判断に基づく訪問看護必要者の特徴および必要者における訪問看護利用の実態と利用者・非利用者の比較.日本公衆衛生雑誌. 2010. 57(12), 1084-1093.

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