慶應義塾大学 看護医療学部 AO入試 志望理由書 提出例(冨崎 悦子研究会向け) 

■ 議論の整理・・・

近年、少子高齢化や核家族化が進み、血縁や地縁が希薄になってきている。近所付き合いは少なく、実母は遠方に住んでる場合も多く、子育ては実母に頼れないこともある。その中で、コミュニティ・エンパワメントという概念が注目されている。それは当事者ひとりひとりの意向や思想は尊重しながら、仲間への共感を重要視し、コミュニティを作り上げていくことである。自己は他者と共にあり、お互いを支えあっている。その中に自分らしさを見出す動きである。冨崎 悦子先生の論文※ではコミュニティ・エンパワメント展開のためのニーズを研究されている。

■ 問題発見・・・

では、血縁や地縁の希薄化が進む現状に対して、保健師ができることは何であろうか。

■ 論証・・・

地域において、住民が孤立しないように、ひとりひとりにケアが行き届くべきである。地域の健康格差が小さくなることを目指しつつ、健康水準の向上につなげるために、一人ひとりの健康問題を地域社会の健康問題と関連付けて捉え、個人や地域社会に働きかけ、個別だけでなく、地域の動かすことが必要である。家庭訪問や、健康教育、健康相談、地区住民の協働などを通して、対象地区に入り込み、地区の伝統や風土と個々の生活意識や行動を結びつけながら地域における活動を施行するべきである。また、保健師は地域保健に対する、コーディーネータ―として、機能することが求められると考える。住民を、制度、年齢、疾病などで縦割りにする行政システムではその谷間に落ちてしまう可能性がある。ゆえに、保健師が住民ひとりひとりに寄り添い横断的に課題に取り組み、必要な支援をコーディーネートするべきである。使える制度や行政サービスがあるにも関わらず、その存在自体を知らないために、利用できないという事態を避けることができる。例えば、ある地域では後期高齢者に対して、毎月タクシーチケットを無料交付している。しかし、そのサービスを知らず、家に引きこもりがちになり、運動・認知機能が低下していくという悪循環に陥る危険性がある。定期的に保健師が訪問し、交付の手伝いをすれば、サービスを利用し、積極的に外出などができるかもしれない。

■ 結論・・・

保健サービスの設立や整理だけでなく、それが利用されるように、地域や住民と交流を深め寄り添い、そして支援やサービスをコーディネートするべきである。

■ 結論の吟味・・・

冨崎 悦子先生に師事することで、地域保健について学ぶことができると考え、慶応義塾大学看護医療学部に入学することを志望している。

 

※ 冨崎 悦子.(2016)「コミュニティ・エンパワメント展開のためのニーズ把握−3年間での推移−」(共著) 厚生の指標63(12)

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