■ 議論の整理・・・
近年、がん患者は増加傾向にあり、日本人の3人に一人は癌で死亡すると言わている。生活習慣の欧米化により、従来多かった胃がん、子宮がんが減少し、一方で乳がん、大腸がん、肺がんなどが増加している。医療は日進月歩であり、治療できるがんも増えてきてはいるが、まだ治療が確立されていないがんも存在する。根治できないがんに対して、がん看護や緩和ケアという概念が注目されている。※1※2貴学の論文ではがん看護に関して、多角的に研究されている。論文※1では乳がん治療と妊孕性の意思決定支援に関して研究されている。また論文※2では再発・転移性乳がん患者に対する経口抗がん治療を看護の視点から研究されている。
■ 問題発見・・・
がん看護に求められるものは何であろうか。
■ 論証・・・
がん看護に求められるのは治療にあたっての身体的ケアだけでなく、患者を含めた家族への精神的ケアを提供することであると考える。手術、放射線療法、化学療法などの副作用
を適切に評価することが身体的ケアである。特に疼痛管理は非常に重要で患者のQOLに直結する。一方で、精神的ケアとは絶望の淵にある患者及び家族に対して、寄り添い支援することである。現代においてがんは頻度が高い疾患であるが、患者にとっては体験したことのない恐怖であり、その不安は計り知れない。がんと言えば死を連想しがちだからである。不安や恐怖を完全になくすことはできないが、向き合い方や今後の生活設計を一緒に考えていくことはできる。患者が悩みをため込まないように、その感情を表出できるように援助することも有効であると考えられる。そうすることで、問題が根本的に解決していなくても、不安や恐怖を共有することで軽減させることができる。
■ 結論・・・
このようにがん看護に必要なのは、患者に寄り添い患者を支えることで精神的なケアを提供することである。
■ 結論の吟味・・・
矢ヶ崎 香准教授に師事することで、がん看護学について多角的に学び研究できると考え、慶應義塾看護医療学部への入学を志望している。
※1矢ヶ崎香, 小松浩子, 森明子. 若年乳がん女性のがん治療と妊孕性の意思決定支援に対する看護師の認識. 日本生殖看護学会誌. 2017, 14(1):21-29
※2矢ヶ崎香. 経口抗がん薬治療を受ける再発・転移性乳がん患者の服薬に関する経験. 日本がん看護学会誌. 2016, 30(2):81-89.
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