慶應義塾大学 看護医療学部 AO入試 志望理由書 提出例(辻 恵子研究会向け)

■ 議論の整理・・・
現在、医療技術の進歩により、胎児の病気や障害が簡便な方法で診断することが可能になっている。高齢出産の傾向もあり、今後もますます多くの人が出生前診断に関わることが予想される。一方で、胎児の病気や障害を出生前に知ることで、子どもを産むか産まないかを選択することに繋がりかねない。つまり、命を選別してるとも考えられる。※1※2貴学の論文では、出生前診断について、助産ケアの観点から研究されている。論文※1では、出生前診断に関する決定のプロセスを考察されている。論文※2では高齢妊娠における出生前診断を研究されている。
■ 問題発見・・・
では、出生前診断における看護の役割とは何であろうか。
■ 論証・・・
出生前診断にて胎児異常が発覚した場合には、妊婦の精神的ケアをするべきである。中絶を余儀なくされた、妊婦の精神的ダメージを非常に大きいことが予想されるからである。精神科医であるキュブラー・ロスによれば「死の受容過程」は5段階あるという。第1段階は否認(否認と孤立)、第2段階は怒り、第3段階は取引、第4段階は抑うつ、第5段階は受容である。今回のケースでは、妊婦は自分の子供が障害を持つことをまずは拒否し、否定する。そして、なぜ自分の子供なのかということに怒りを覚える。次に、その現実を変えようと神と取引をする。しかし、現実は変わらないと分かり気持ちがが滅入り、抑うつ状態になる。最後に受容し、心に平安が訪れる。もちろん、全て人がこのような経過をたどるわけではないが、妊婦の受容過程には様々な段階があることを認識し、それに応じて、寄り添い支えることが重要であると考える。ダウン症の発生率は約1,000人に1人だが、何らかの疾患を持って生まれてくる子は、全出生の3~5%と言われている。しかし、当事者の立場に立てば、それは大変衝撃的で、心理的負担は大きい事が予想される。妊婦の立場になって考え、本人や家族にとって最適な選択ができるように、配慮することが求められる。
■ 結論・・・
以上より、私は出生前診断を受けるか否かの問題から始まり、結果を受容し、今後の生活をどのように送るかまで様々な局面において適切なサポート・ケアが必要であると考える。
■ 結論の吟味・・・
辻 恵子准教授に師事することで、出生前診断を含めた周産期医療における看護について深く学び、そして研究できると考え、慶応義塾大学看護医療学部への入学を志望している。

※1辻 恵子.(2008)出生前検査に関する決定のプロセスを女性と共有すること−助産ケアの可能性, 助産雑誌, 62(12)
※2辻 恵子.(2013)出生前診断にかかわる助産ケア: 高齢妊娠 (共著), 助産雑誌, 67(5)

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