慶應SFC 2003年 環境情報学部 英語 大問2 内容一致解説

[51] Piaget’s claim that infants’ knowledge of objects is impoverished implies that

  1. they need to acquire object knowledge by experience.
  2. they have no need to acquire object knowledge by experience.
  3. they are born with a poor mechanism of acquiring object knowledge.
  4. they are born with a rich mechanism of acquiring object knowledge.

 

・正答: 1

・正答の理由: Piagetが主張する乳幼児の対象知識が不十分であるということは、彼らが経験を通じて対象知識を獲得する必要があることを意味します。本文では、Piagetの理論が経験を通じて子どもたちが対象知識を構築すると述べています。

・不正解の理由:

2: 経験による対象知識の獲得の必要性を否定する選択肢であり、Piagetの理論と矛盾します。

3: Piagetの理論では乳幼児が対象知識を獲得するメカニズムが経験に基づいているとされているため、この選択肢は誤りです。

4: Piagetの理論では経験が重要であり、生まれながらにして豊富な対象知識のメカニズムを持っているとは述べていません。

 

[52] Which of the following is in accordance with Piaget’s theory of object knowledge ?

  1. Different children acquire an understanding of objects at different periods.
  2. Children acquire an understanding of objects at about the same time.
  3. Different experiences have little effect on the way children acquire object knowledge.
  4. Different experiences have no effect on the way children acquire object knowledge.

 

・正答: 1

・正答の理由: Piagetの理論では、子どもたちは個々の経験を通じて対象についての理解を構築するため、異なる子どもが異なる時期に対象についての理解を獲得することが示唆されています。この考え方は、「If object knowledge is constructed in each child as a result of personal experiences, then each child should reach an understanding of objects at different developmental periods」という文で反映されており、異なる子どもたちが対象を理解する時期が異なることを支持しています。

・不正解の理由:

2: Piagetの理論によると、子どもたちは個々の経験に基づいて対象知識を構築するため、全ての子どもがほぼ同時期に対象を理解するとは限りません。この選択肢は、Piagetの個人の経験に重きを置く理論と矛盾します。

3: Piagetの理論では、異なる経験が子どもたちの対象知識の獲得に大きく影響すると考えられています。この選択肢は、その理論の根本的な側面を無視しているため誤りです。

4: この選択肢も3と同様に、Piagetの理論が個々の経験の重要性を強調している点を考慮していないため、誤りです。異なる経験は子どもたちが対象知識を獲得する方法に影響を及ぼす可能性があります。

 

[53] Which of the following best represents author’s position with regard to the acquisition of object knowledge ?

  1. Piaget is right when he claims that children’s object knowledge needs to be facilitated by experience.
  2. Piaget is right when he claims that children must have the experiences of seeing, touching, and moving for the construction of object knowledge.
  3. Piaget’s theory cannot be maintained because it fails to take into account innate mechanisms at work for the construction of object knowledge.
  4. Piaget’s theory is further supported by more recent studies involving cross cultural analysis of child development.

 

・正答: 3

・正答の理由: 本文によると、ピアジェの理論は生得的なメカニズムを考慮に入れていないため、対象知識の構築において維持することはできないとされています。この点は、「Cross-cultural analyses of child development reveal universality in the timing of object knowledge…This suggests that for human infants, the acquisition of object knowledge is facilitated by a set of principles, innate mechanisms that guide the learning experience」という部分で強調されており、生得的なメカニズムが対象知識の獲得に不可欠であることを示唆しています。

・不正解の理由:

1: この選択肢は、ピアジェの経験に基づく学習の重要性を強調していますが、本文は生得的なメカニズムの役割を強調しているため、不適切です。

2: 同様に、この選択肢もピアジェの見解を支持していますが、本文はその理論が全面的には支持されないことを示しています。

4: この選択肢は、ピアジェの理論が最近の研究によってさらに支持されていると示唆していますが、本文は実際にはその理論が生得的メカニズムを無視していると批判しています。

 

[54] According to the article, Piaget’s result on object performance has been challenged on methodological grounds because

  1. his experiments are designed mainly for children whose linguistic competence has reached the level of adults.
  2. his experiments are designed primarily for adults who can express their thoughts in words.
  3. it is difficult to obtain accurate data from infants with physical and linguistic disabilities.
  4. it is difficult to obtain accurate data from infants whose physical and linguistic abilities are limited.

 

・正答: 4

・正答の理由: Piagetの実験結果が方法論的な理由で挑戦されたのは、「乳幼児の身体的および言語的能力が限定されているため、正確なデータを取得することが困難だから」です。本文では、Piagetが実験で明示的な反応、例えば手を伸ばす動作を求めたが、「But if the child is immature, reaching may not be a good measure of what she knows」と指摘しており、乳幼児の発達段階や能力の限界により、その知識を正確に測定することの難しさを示しています。

・不正解の理由:

1: Piagetの実験は主に成人の言語能力を持つ子供を対象に設計されたわけではなく、乳幼児を対象としているため不適切です。

2: 同様に、実験が主に成人を対象に設計されたわけではありません。

3: 身体的および言語的障害を持つ乳幼児から正確なデータを取得することの困難さに言及していますが、本文ではそのような特定の障害を持つ乳幼児に焦点を当てているわけではなく、一般的な乳幼児のデータ取得の難しさについて言及しています。

 

[55] The statement “Language is the mind’s messenger” in the 7th paragraph implies which of the following ?

  1. Language helps us formulate relevant questions about our mind.
  2. Language enables us to express what we know.
  3. Language sends messages to our mind.
  4. Language reveals the physical structure of our brain.

 

・正答: 2

・正答の理由: 「Language is the mind’s messenger」という文は、言語が我々が知っていることを表現する手段であることを意味しています。この文脈では、言語を通じて人々が自分の知識について話すとき、その言語的応答は一般的に我々の思考の正確な表現と見なされます。

・不正解の理由:

1: この選択肢は本文の内容と直接関連していません。言語が心に関する質問を形成する手助けをするという考えは本文で直接扱われていません。

3: 言語が心にメッセージを送るという考えは、この文脈での言語の役割とは異なります。本文は言語が知識を表現する手段であると説明しています。

4: 言語が脳の物理的構造を明らかにするという考えは、本文の議論の範囲外です。本文は言語と知識表現の関係に焦点を当てています。

 

[56] The research method called ‘expectancy-violation procedure is based upon which of the following ?

  1. Magicians have developed the technique of levitating solid objects without using strings.
  2. Hummingbirds have the ability to remain stationary in the air like Michael Jordan.
  3. Events that go against our expectations tend to elicit less attention on the part of the observer.
  4. When we are surprised, we tend to focus our attention on the events that caused it.

 

・正答: 4

・正答の理由: 「期待違反手続き」は、「私たちが驚いたとき、その原因となった出来事に注目を集中する」という事実に基づいています。本文は、「More generally, whenever we witness events that violate our expectations, we focus our attention and do so because we are surprised」と述べており、期待に反する出来事が私たちの注意を引き、驚きをもたらすことを強調しています。

・不正解の理由:

1: マジシャンが紐を使わずに固体物体を浮遊させる技術を開発したことと、期待違反手続きの基礎とは直接関係がありません。

2: ハチドリがマイケル・ジョーダンのように空中で静止できる能力について述べていますが、これは研究方法の基礎とは直接関係がありません。

3: 期待に反する出来事が観察者からの注意を引きにくいという選択肢は、本文の説明とは逆のことを述べており、誤りです。期待に反する出来事は実際にはより多くの注意を引きます。

 

[57] Baillargeon designed an experiment using the rotating screen and the block in order to find out whether or not

  1. infants are able to understand what kind of trick is used in the experiment.
  2. infants have an understanding of object permanence.
  3. the screen stops short of the full 180-degree rotation.
  4. the block successfully prevents the screen to stop at the point of contact.

 

・正答: 2

・正答の理由: Baillargeonが実験で回転するスクリーンとブロックを使用したのは、「乳幼児が対象恒常性を理解しているかどうか」を調べるためです。「Infants watched a solid screen rotate through an arc of 180 degrees until they were bored and looked away. Baillargeon then introduced a wooden block in the path of the rotating screen… If infants are able to maintain a representation of the block in their mind, then when the screen rotates toward the block, they should expect it to stop at some point」という記述から、乳幼児が見えなくなった対象を心の中で保持できるか(対象恒常性を持つか)を検証する実験の目的が明確です。

・不正解の理由:

1: 実験で使われたトリックの種類を乳幼児が理解しているかどうかは、この実験の主な焦点ではありません。

3: スクリーンが完全な180度回転を短くするかどうかは、実験の条件の説明であり、実験の目的そのものではありません。

4: ブロックがスクリーンの停止を成功させるかどうかは、実験の結果を説明するものであり、実験の目的そのものを示すものではありません。

 

[58] In Baillargeon’s experiment, psychologists who are in support of Piaget’s theory would expect that

  1. infants would pay more attention to the screen when the screen rotates less than 180 degrees.
  2. infants would pay less attention to the screen when the screen rotates more than 180 degrees.
  3. infants would pay more attention to the screen when the screen rotates more than 180 degrees.
  4. infants would pay less attention to the screen when the screen rotates less than 180 degrees.

 

・正答: 1

・正答の理由: Baillargeonの実験では、Piagetの理論を支持する心理学者は、「スクリーンが180度未満で回転するときに、乳幼児がスクリーンにより多くの注意を払う」と予想します。これは、スクリーンがブロックに接触する点で停止するという期待に基づくもので、「If, however, the infant has some understanding of object permanence, then the 180-degree rotation is surprising because it violates a physical principle; infants are expected to look longer at violations than at events that are consistent with the physical world」と記述されています。

・不正解の理由:

2: この選択肢は実験の結果に関する誤った解釈を示しています。実験のポイントは、期待に反する出来事に対する注意の増加です。

3: 180度以上で回転するときに乳幼児がスクリーンにより多くの注意を払うという期待は、本文の内容と矛盾します。

4: 180度未満で回転するときに乳幼児がスクリーンに注意を払わないという期待は、実験の目的に反しています。

 

[59] Which of the following best represents the author’s position with regard to the acquisition of object knowledge ?

  1. Children need to have personal experiences with the objects surrounding them before they acquire object knowledge.
  2. Children develop object knowledge only when they are exposed to specific cultures.
  3. Children are born with innate mechanism which enables them to acquire object knowledge.
  4. Children are born with innate knowledge as to how specific objects behave the way they do.

 

・正答: 3

・正答の理由: 著者の立場は、「乳幼児は対象知識を獲得するための先天的なメカニズムを持って生まれてくる」というものです。本文は、「This suggests that for human infants, the acquisition of object knowledge is facilitated by a set of principles, innate mechanisms that guide the learning experience」と述べており、乳幼児が対象知識を獲得するのは経験だけでなく、生まれながらにして持っている先天的なメカニズムによる部分が大きいことを示唆しています。

・不正解の理由:

1: 個人の経験だけが対象知識の獲得に必要だとする見解は、本文の内容と矛盾します。

2: 特定の文化にのみ暴露されることが対象知識の発達に影響を与えるという見解も、本文が示す先天的なメカニズムの存在と矛盾します。

4: 乳幼児が特定の対象の振る舞いについての先天的な知識を持って生まれてくるという選択肢は、本文が言及している「学習メカニズム」の概念とは異なります。

 

[60] Which of the following will make the most suitable title for this article?

  1. The Expectancy-Violation Procedure
  2. Baillargeon’s Experimental Design
  3. The Use of a Magic Trick in Psychological Experiments
  4. The Acquisition of Object Knowledge

 

・正答: 4

・正答の理由: 本文の最も適切なタイトルは「The Acquisition of Object Knowledge」です。全体を通して、乳幼児が対象知識をどのように獲得するか、そしてその過程に先天的なメカニズムがどのように関与しているかに焦点を当てています。

・不正解の理由:

1: 「期待違反手続き」は、乳幼児の対象知識の研究方法として重要ですが、本文全体の内容を網羅するタイトルとしては不十分です。

2: Baillargeonの実験設計は重要な要素ですが、本文全体の主題を代表するものではありません。

3: 「マジックトリックを用いた心理学実験の使用」は、本文で取り上げられている研究方法の一部を説明していますが、対象知識の獲得という全体のテーマからは外れます。

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