議論の整理
世界各国では、観光旅行者が集中するエリアにて、そこに住む住民の生活が脅かされたり、自然環境にマイナスの影響があらわれたりしている。その結果、観光客の満足度も低下するという負のスパイラルに陥っていることが問題視された。そこで2015年、国連総会では、持続可能な開発目標に基づく指針がまとめられた。これを受けて日本でも、観光庁のなかに「持続可能な開発推進本部」が設置され、観光客と地域住民がどのように共存できるのか、解決策が検討されている。
問題発見
持続可能な観光とはどのようなことなのか?日本や世界では、具体的にどのような問題が起こっているのか?
論証
持続可能な観光とは、その地に訪問する人、その地の産業や環境、受け入れ地域のニーズに見合った観光のあり方のこと。とくに、現在のみならず将来の経済や環境によい影響を与えうることが大切とされている。
日本では近年、外国人旅行者の数が急増し、観光客の大部分が外国人という地域も増えてきている。その結果、北海道のニセコ町のように、これまであまり注目されてこなかった観光地が知られるようになり、地域経済にプラスの影響を与える事例も増えてきている。
しかしながら、日本を代表する観光地である京都では、伝統文化に由来するマナーを守らない外国人観光客が増えていることが問題となっている。観光客が増えることで地域経済は潤うが、同時に京都の伝統が壊されてしまう。将来的には京都のブランド力が低下する可能性も指摘されている。
結論
京都の事例のように、将来的に地域の経済や文化の継承にマイナスの影響を与えるのではあれば、持続可能な観光が実現しているとは言えない。観光地のブランドを維持するためには、長期的に見てプラスの効果が期待できることを実践する必要がある。
吟味
京都の観光客問題については、外国人の受入れ体制を整備するとともに、文化に対する理解を深める啓もう活動も欠かせないと考えている。(804文字)
コメントを残す