上智大学 法学部 地球環境法学科 公募制推薦入試 2016年 小論文 解答例

設問

環境問題の中には、その解決のために国際的な対応が求められている問題もある。現在日本が直面している環境問題のうち、その対処にあたって、中国や韓国などの近隣諸国との交渉・協力が必要だと考えられる問題を1つ挙げなさい。またその問題の解決のために、国際的にどのようなルールや制度が必要だと考えられるか、あなたが特に重要だと考える点に焦点をあてつつ、理由とともに自分の考えを述べなさい。(800字以内)

議論の整理→具体的な環境問題の特定

日本が直面している環境問題の中で、特に広域に影響を及ぼしているのが越境大気汚染問題である。中国大陸や朝鮮半島からの大気汚染物質が偏西風にのって日本にまで到達しており、PM2.5の飛来などで議論となった。日本だけでは根本的な対処ができない問題であるため、中国や韓国と協力する必要がある。

問題発見→越境大気汚染を解決するにはどうしたらよいか?

このような複数国をまたぐ環境問題を解決するためには、どのようなルールや制度が必要となるだろうか。

論証→「上から」と「下から」の施策

越境大気汚染のように、複数国にまたがる環境問題は責任の所在があいまいになり、根本的な解決に向けて動くことが難しい。そのためもっとも重要なのは、関係国全員で環境問題に取り組むという合意だと考える。まずは各国が綿密に大気汚染の現状と原因を調査し、それを国家間で共有したのち、具体的な目標を設定する。そして国は、民間企業に目標を達成することを強く求めていく。そして国家先導の環境保護政策と並行して、国民や民間企業が互いに交流を通じて、環境保護の意識を醸成することも必要だと考える。たとえば日中韓の環境省の職員や地方自治体職員の交流や学者の派遣、大学生や高校生によるスタディツアー、技術者の交流などである。このような交流はすでに行われているが、交流によって学んだことを他者に積極的に還元する必要がある。そこで交流内容を、自国のメディアをつかって発信していくことで、国民の越境大気汚染に対する関心を喚起することができ、結果として行動につなげることも可能となる。

解決策or結論→我が事として問題をとらえる重要性

このように、国家が主導となって大気汚染物質の削減枠組みを設定し、その目標達成に励むと同時に、国民一人一人が大気汚染に対して敏感になって行動することで、少しずつではあるが、越境大気汚染の問題を解決することができるのではないだろうか。

解決策or結論の吟味→結論を吟味する

関係する国および国民全員が、共通の課題として認識する土壌を作ることが、まずは重要であると考える。(774字)

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