上智大学 法学部 地球環境法学科 公募制推薦入試 2018年 小論文 解答例

設問

(本文を読んで)リリース禁止を守らせるため、罰則を課す以外にどのような方策をとることが考えられるか。あなたの考えを800字以内で述べなさい。

議論の整理→琵琶湖のリリース禁止の現状

本文に述べられているように、琵琶湖は古代湖として多様な生態系を持っており、生態系を保護するためにオオクチバスを排除することは重要である。現状ではオオクチバスを釣り上げた際にリリースが禁止となっているが、それを破るものも多く、成果が出ていない。

問題発見→罰則以外に何が施策としてできるか?

罰則を設けるのも一案ではあるが、すべての釣り人を監視するのは現実的である。では、罰則を設ける以外にどのような方策があるだろうか。

論証→リリース禁止を守る釣り人にインセンティブを与える

おそらく現状リリース禁止が順守されていない原因の一つとして、釣った魚を回収いけすに入れるという行為が「生命を粗末にする」という感情に結び付く、ということがあるだろう。たしかに、いくらスポーツとしてであっても釣り上げた魚を廃棄されるいけすに投入するには逡巡が生まれるだろう。また、単純に魚をいけすまで運ぶのが面倒だ、ということも考えられる。
そこで、リリース禁止を守った釣り人に対して褒賞を与えるのはどうだろうか。現在、琵琶湖では回収いけすが設置されているが、まずその外観をクリーンできれいな箱にする。そこに計量メーターを設置し、入れられたオオクチバスの重さに従いクーポン券を発行するのだ。その券を使って琵琶湖周辺にあるレストランや釣具店でディスカウントやプレゼントがもらえる仕組みを作るのはどうか。そうすることで単にオオクチバスのリリースを防ぐだけでなく、釣り人が周辺の飲食店や雑貨店で買い物をし、地元経済にもプラスに働く、というサイクルが生み出せるのではないだろうか。

解決策or結論→オオクチバスを利用する施策を

条例を知りながらリリース禁止を守らない者が多くいる現状では、単純に回収いけすを設置するだけでは効果が弱い。

解決策or結論の吟味→結論を吟味する

本来の目的は琵琶湖の固有の生態系を守るとともに、滋賀県など琵琶湖周囲の県が発展することである。そう考えると、オオクチバスのリリースを単純に禁止するのではなく、オオクチバスを利用した施策を考えるほうが全員にとって良い。(780字)

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