慶應SFC 総合政策学部 AO入試 志望理由書 提出例(東海林裕子研究会向け)

 議論の整理・・・「日本のビジネスは、世界と比較すると衰退してきている。」日頃ニュースや新聞などでよく聞く話である。実際、バブル崩壊後の1992年でさえ、トヨタ自動車や三菱銀行など約10社が世界時価総額ランキングの上位50社に入っていた。しかし、2019年現在はトヨタの1社のみである。現在時価総額ランキングで上位を占めている企業には、アマゾンやフェイスブック、アリババなど海外企業ばかりである。

 こうしたなかで、旧来の日本的経営の問題が指摘されている。日本企業では空気を読むこと、すなわち和が重要視されてきた。効率的な経営には和が必要だと考えられていたからである。その一方で、現代のように変化の激しい社会において和は非効率であり、欧米のように個を重視するべきだという風潮が強まってきている。

 

 問題の発見・・・しかし、日本の経済的成長の鈍化の原因を日本的経営に押し付け、欧米的な考えを導入するべきだという風潮に問題があると私は考える。

 

 論証・・・というのも、変化が激しかったとしてもきちんと和がとれていれば効率的な経営が可能だからである。和がとれていることで、一つの目標に向かって関係者全員が行動できるため、意思決定やマネジメントに無駄が生じず、経営全体が効率的になる。問題なのは、この和を維持するために必要なスキル、すなわちライフスキルの欠如にあると私は考える。ライフスキルとは、「日常生活で生じるさまざまな問題や要求に対して建設的かつ効果的に対処するために必要な能力」(WHO,1997)※1であり、これが現代の人々の間で欠如した結果、組織内で和が保てずに、経営が非効率化になっていると考えられる。

 

 結論・・・そこで私は、企業組織内におけるライフスキルの現状について調査し、自身の「現代人はライフスキルが欠如している」という仮説を検証したい。そのうえで、ライフスキルを獲得するうえでの課題を抽出し、日本企業が和を取り戻すための提言を行う。

 

 結論の吟味・・・SFCでは、フィールドワークや企業でのインターンシップを推奨しており、私の研究に最適な環境が整っている。また、貴学の東海林裕子准教授は、スポーツにおけるライフスキルの獲得の分野で研究を行っており、東海林准教授の研究会に所属することで私の研究をより精緻なものにしていくことができる。したがって、私はSFCに入学し、東海林准教授の研究会に所属することを志望する。

 

※1WHO編:川端徹朗ほか監訳(1997)WHO・ライフスキル教育 プログラム.大修館書店

※2東海林 祐子・島本好平・萩野達也(2016)「大学体育におけるライフスキル獲得のための授業支援ツール体育ノートの導入とその効果の検討」第4回大学体育フォーラム

 

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