慶應SFC 総合政策学部 AO入試 志望理由書 提出例(野中葉研究会向け)

 議論の整理・・・ 

 インドネシアの大学生たちによるダアワと呼ばれるイスラーム運動は,近年のイスラーム台頭の現れの一つとして,また躍進するイスラーム政党の支持基盤として,注目が集まっている。学生らが目指したものは,個人のイスラームへの覚醒を伴う,長期的展望にたった社会改革だった。またそれは純粋な精神的宗教としてのイスラームの追求だけでも,目の前にある体制への批判だけでもなく,より良い社会を築きたいという学生一人ひとりの明確な意識によって支えられ継続してきた。インドネシア大学やガジャマダ大学など,ダアワ・カンプス運動の主要拠点とされる国立大学の学生らも70年代半ばから後半にかけてサルマン・モスクのLMDに参加している。また80年代のサルマン運動の活動家らは,さらなる活動の場を求めてガイマスを設立した。ダアワ・カンプスが現在のように大きな力を持ち,バンドゥン工科大学をはじめ,全国で展開しているのは,サルマン運動によって蒔かれた種が着実に育ち実を結んだ結果とも言える。

 

 問題発見・・・ 

 では,マレーシアにおける高等教育機関のイスラーム化およびダアワ運動に関して,インドネシアが与えた影響に注目してみたい。

 

 論証・・・ 

 マレーシアでは,マレー人優遇政策に基づき,それまで非マレー・非ムスリムの学生が多数を占めていた高等教育機関がマレー人に門戸を開き,大きな変革の時期を迎えていた。マレーシアの高等教育機関のイスラーム化は,国際マレーシア大学が設立され,ABIMの元代表だったアンワル・イブラヒムが政権に参加して教育大臣を務めた1980年代を中心に言及されることが多い。しかし,高等教育機関のイスラーム化の萌芽は,マレー人優遇政策が打ち出され,イマドゥディンらを通じてインドネシアのダアワ運動との接点を持った1970年代初頭に見ることができる。マレーシアでのダアワ運動の盛り上がりは,特にNEPの実施とそれに伴う近代教育への就学機会の拡大による,マレー人社会の急速な社会変動,インドネシア人教員を受け入れ活躍することで,マレーシアの大学改革にもインドネシアの影響が色濃く感じられる。

 

 結論・・・ 

 そこで,ダアワ運動によるインドネシアやマレーシアの女性の地位や生活の変化について研究を深めたいと考えている。

 

 結論の吟味・・・ 

 上述の研究を進めるため,貴学SFCに入学し,東南アジアの女性とイスラームについて専門に研究している総合政策学部の野中葉准教授の研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 野中葉.マレーシアのダアワ運動と高等教育機関のイスラーム化に対するインドネシアのインパクト インドネシア人活動家イマドゥディン・アブドゥルラヒムを事例にCIRAS discussion paper No.78, pp.41–49, 2018

 

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