設問1: 文献1と文献2に通底することを論じてください(150字以内)
それぞれの論点……
文献1では料理を季節やシーンに合わせて変化させる重要性を述べている。一方文献2では身体を状況に合わせて変化させる重要性を述べている。
共通の前提・理想……
これらはいずれも、身体や料理など自分との距離が近いものを状況に合わせて変化させる重要性を述べている点が通底している。
設問1解答例
文献1では料理を季節やシーンに合わせて変化させる重要性を述べている。一方文献2では身体を状況に合わせて変化させる重要性を述べている。これらはいずれも、身体や料理など自分との距離が近いものを状況に合わせて変化させる重要性を述べている点が通底している。(124文字)
設問2: 文献1と文献3に通底することを論じてください(200字以内)
それぞれの論点……
文献1では高級料理ではなく家庭料理こそが民藝であるという境地に至るまでの土井先生の心の動きについて述べている。一方文献3でも社会的に承認された価値から反転されるような短歌を紹介している。
共通の前提・理想……
これらでは、それぞれ社会的に承認された価値から反転したところに生きる上での本質があるとしている。
文献1では高級料理ではなく家庭料理こそが民藝であるという境地に至るまでの土井先生の心の動きについて述べている。一方文献3でも社会的に承認された価値から反転されるような短歌を紹介している。これらでは、それぞれ社会的に承認された価値から反転したところに生きる上での本質があるとしている。(141文字)
設問3: 文献4のいう定性的研究の重要さを、文献3の著者の主張と関連づけて論じてください(250字以内)
結論……
文献4のいう定性的研究の重要さは、文献3の筆者の主張と関連して論じることができる。
根拠……
なぜなら、定量的研究は社会的に承認された価値であるのに対して、定性的研究は社会的に承認された価値ではないからだ。
具体例……
具体的には、数量に基づく研究は社会的に承認されるが、論理や構造、情緒などを重要視する定性的研究はかならずしもそうではない。
結論……
しかし、論理や構造を重視することで物事を客体化することができ、場合によっては情緒まで考慮することが人間性のある研究を進めていくことができるという点で、定性的研究には価値がある。
設問3解答例
文献4のいう定性的研究の重要さは、文献3の筆者の主張と関連して論じることができる。
なぜなら、定量的研究は社会的に承認された価値であるのに対して、定性的研究は社会的に承認された価値ではないからだ。
具体的には、数量に基づく研究は社会的に承認されるが、論理や構造、情緒などを重要視する定性的研究はかならずしもそうではない。
しかし、論理や構造を重視することで物事を客体化することができ、場合によっては情緒まで考慮することが人間性のある研究を進めていくことができるという点で、定性的研究には価値がある。
(245文字)
設問4: 文献2と文献5に通底することを論じてください(150字以内)
それぞれの論点……
文献2では人間は自分の身体すら自由にできないという人間の不可能性について論じている。一方で、文献5では幹を採取される桜の木が、そのあり方を自由にできないという桜の木の不可能性について論じている。
共通の前提・理想……
このように不可能性に謙虚に向き合うことで、生きるということについて考え直すことができるという点で双方の内容は通底している。
設問4解答例
文献2では人間は自分の身体すら自由にできないという人間の不可能性について論じている。一方で、文献5では桜の木が、そのあり方を自由にできないという不可能性について論じている。このように不可能性に謙虚に向き合うことで、生きるということについて考え直すことができるという点で双方の内容は通底している。
(147文字)
設問5: 文献5が論じる「生きることに向き合うための学問的態度」は文献4が主張する定性的研究のやり方にも相通じる物があります。それについて論じてください。(250字以内)
結論……
文献5が論じる態度は文献4が主張するやり方と共通している部分がある。
根拠……
なぜなら、双方とも自らの行いに対する批判的検証を重要視しているからである。
具体例……
具体的には、文献4では自然現象を注意深く観察する重要性について述べられている。一方、文献5では物事の見方の変化の重要性について述べられている。
結論……
このように批判的態度を以て、自らの行いを検証することを双方ともに重要視している。
設問5解答例
文献5が論じる態度は文献4が主張するやり方と共通している部分がある。
なぜなら、双方とも自らの行いに対する批判的検証を重要視しているからである。
具体的には、文献4では自然現象を注意深く観察する重要性について述べられている。一方、文献5では物事の見方の変化の重要性について述べられている。
このように批判的態度を以て、自らの行いを検証することを双方ともに重要視している。
つまり、批判的検証を通じて、物事の見方を変えることで、意識の変化が生まれ、それが表面に現れることで優れた手段としても役立つ。
(244文字)
設問6(a):
この新しい土地で、Bさん夫妻の住まいかた・暮らしかたはどのようなものになりつつある、あるいはこれからなっていくとあなたは考えますか? できるだけ具体的に記述してください。(300字)
結論……
根拠……文献1-3
Bさん夫妻の住まいかた・暮らしかたは、文献1にあるように家庭に価値を置き、一瞬一瞬や季節感を重視し、その中で文献2にあるように自らの身体性を取り戻しながら、文献3にあるように社会的に承認された価値ではなく自らが大切にすべき価値を守るためのものになっていると考える。
具体例……できるだけ具体的に記載してください○
具体的には収入が高い都心部ではなく郊外で自営業を営むことで、季節感を感じながら自らの身体性を取り戻しつつ自らが大切にすべき価値を守っている。
設問6(a)解答例
Bさん夫妻の住まいかた・暮らしかたは、文献1にあるように家庭に価値を置き、一瞬一瞬や季節感を重視し、その中で文献2にあるように自らの身体性を取り戻しながら、文献3にあるように社会的に承認された価値ではなく自らが大切にすべき価値を守るためのものになっていると考える。
具体的には収入が高い都心部ではなく最寄り駅までバスで15分かかる不便な郊外で小説家や陶芸家のような自営業を営むことで、里山風景や未開拓の自然山林から季節感を感じながら、Bさんの妻はアトリアとなる小屋で陶芸作業に勤しみながら、自らの身体性を取り戻しつつ自らが大切にすべき価値を守っている。
(277文字)
設問6(b):
Bさん夫妻の住まいかた・暮らしかたのありさまを調査するために、Aさんがどのような工夫を盛り込んだ研究方法を考案するであろうとあなたは考えますか? できるだけ具体的に記述してください(500字以内)
議論の整理……文献4-6→研究のあり方を考え直す
文献4では定量的研究のみならず定性的研究を重視する必要性について述べられている。また、文献5では手段を手段として見る限り、手段としても役に立たず、その中に入ってその気持ちを理解することになって初めて、手段としても役立つと述べている。また、文献6では現在の人間が知能について浅く考えていることを批判しつつ、こうした問題には機能だけでなく存在の根を含んだ形成を軸とするアプローチが必要であると述べている。
これらの問題意識は、より広い視座や多様な着眼点からひとの住まいかた・暮らしかたを探求する必要があるというAさんの問題意識と共通している。
問題発見……これまでは室内環境だけに目を向けた研究をしてきましたが、より広い視座や多様な着眼点からひとの住まいかた・暮らしかたを探求する必要があると痛感したのです
ここで重要なのは、Bさん夫妻の住まいかた・暮らしかたのありさまを調査するために
文献5の「その中に入ってその気持ちを理解する」文献6の「機能だけでなく存在の根を含んだ形成を軸とするアプローチ」がどのようなものかということだ。
論証(論証の型:言い分方式)……
たとえば、住まいかた・暮らしかたのありさまを調査することを表層的に捉えると、Bさん夫妻の暮らしぶりに関するありとあらゆるデーターを捕捉し調査することが正当化されうる。しかし、こうしたアプローチは「機能だけでなく存在の根を含んだ形成を軸とするアプローチ」とはいえない。Bさん夫妻の生活を疲弊ないしは崩壊させるリスクを伴うからだ。
結論……Bさん夫妻の住まいかた・暮らしかたのありさまを調査するために、Aさんがどのような工夫を盛り込んだ研究方法を考案するであろうと考えますか?(具体的に)
そのため、起居を共にする、あらゆる情報を捕捉するという解決策は現実的ではなく、あくまでも隣人としてBさん夫妻の近辺でBさん夫妻の必要と承諾に応じて似たような生活をするという程度の関与から住まいかた・暮らしかたのありさまを調査するに留める距離感が重要となる。
吟味……弊害
設問6(b)解答例
文献4では定量的研究のみならず定性的研究を重視する必要性について述べられている。また、文献5では手段を手段として見る限り、手段としても役に立たず、その中に入ってその気持ちを理解することになって初めて、手段としても役立つと述べている。また、文献6では現在の人間が知能について浅く考えていることを批判しつつ、こうした問題には機能だけでなく存在の根を含んだ形成を軸とするアプローチが必要であると述べている。
たとえば、住まいかた・暮らしかたのありさまを調査することを表層的に捉えると、Bさん夫妻の暮らしぶりに関するありとあらゆるデーターを捕捉し調査することが正当化されうる。しかし、こうしたアプローチは「機能だけでなく存在の根を含んだ形成を軸とするアプローチ」とはいえない。Bさん夫妻の生活を疲弊ないしは崩壊させるリスクを伴うからだ。
そのため、起居を共にする、あらゆる情報を捕捉するという解決策は現実的ではなく、あくまでも隣人としてBさん夫妻の近辺でBさん夫妻の必要と承諾に応じて似たような生活をするという程度の関与から住まいかた・暮らしかたのありさまを調査するに留める距離感が重要となる。
(491文字)
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