慶應SFC 環境情報学部 2000年 小論文 解説【林塾長作成】

問1(200/200)(1000字)

 

議論の整理(40/200)……20世紀の暮らしのあり方がもたらしたプラス面とマイナス面

……プラス面とマイナス面各20点満点、書けていれば6点、新規性があれば8点、緻密性があれば6点、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

資料2にあるようにアーミッシュはしばしば我々から見たら非合理的とも思える意思決定をする。このことから考えるに、20世紀の暮らしのあり方は総じて我々にある種の合理性をもたらしたことは確かだろう。これは20世紀の暮らしのあり方のプラス面といえる。

一方、資料1にあるようにアーミッシュが求めるゆったりとした時間のリズムは我々が発展とともに失ったものである。これは我々の発展のマイナス面とも言えよう。本来我々を豊かにするはずの手段である技術や発展がしばしば目的となり、我々が技術や発展に操作されているようにさえ思える疎外に苦しんでいるのは我々の発展のマイナス面である。

 

問題発見(40/200)……21世紀の科学技術の発展と暮らしのあり方としてふさわしくないものは?

……書けていれば15点、新規性があれば15点、緻密性があれば10点、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

その上で、21世紀の科学技術の発展と暮らしのあり方はどうあるべきか、逆に言うと、どうあるべきではないのか、について考えることでその答えを導くことができると私は考える。なぜなら、21世紀の科学技術の発展がどうあるべきではないのかについて考えることによって、自然にそれがどうあるべきなのかが分かると考えたためだ。

 

論証(40/200)……論証

……原因分析A→B→C→D、各10点満点、書けていれば各3、新規性があれば各4、緻密性があれば各3、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

まず、21世紀の科学技術の発展と暮らしのあり方としてあるべきではない考え方は、我々が目的としている豊かさとその手段としての技術や発展が主客逆転することにある。

こうした問題が起こる原因は、ひとえに労働市場における市場の失敗にある。短期的にかつ狭い範囲のみで見れば、長時間かつ休みなく働く労働者は企業の業績に余裕を持たせる。だが、こうしたダンピングとも言える状況が長く続くと社会全体が疲弊し、社会全体の活力が失われ、結局は経済成長に負の影響を及ぼす。

このような市場の失敗による目的としている豊かさとその手段としての技術や発展が主客逆転は、私達の生活のあり方が政府によって十分管理されていないことから起こる。ウェアラブルデバイスの活用などを通じて、労働者に対して違法な残業などをさせないあり方を追求することで、労働者にゆとりが生まれ、それが、我々が目的としている豊かさにつながる。

 

結論(40/200)……21世紀の科学技術の発展と暮らしのあり方

……書けていれば15点、新規性があれば15点、緻密性があれば10点、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

よって、21世紀の科学技術の発展と暮らしのあり方は、あくまでも主眼・目的を我々自身の豊かさに置き、その手段として技術や発展ということを明確にすることが重要になってくる。

 

吟味(40/200)……吟味

……書けていれば15点、新規性があれば15点、緻密性があれば10点、主語・対象語・動詞抜け、漢字間違い、送り仮名間違い(各-1)、論理飛躍各-1

 

こうしたあり方により、長時間・休みがない・あくせくした労働から解放されることにより、新たなアイディアなどが生まれる余地も大きくなり、結果として少ない労働時間でも多くの付加価値を産むことができるようになるだろう。

 

資料2にあるようにアーミッシュは我々から見たら非合理的とも思える意思決定をする。このことから考えるに、20世紀の暮らしのあり方は総じて我々にある種の合理性をもたらしたことは確かだ。これは20世紀の暮らしのあり方のプラス面といえる。

一方、資料1にあるようにアーミッシュが求めるゆったりとした時間のリズムは我々が発展とともに失ったものである。本来我々を豊かにするはずの手段である技術や発展がしばしば目的となり、我々が技術や発展に操作されているようにさえ思える疎外に苦しんでいるのは我々の発展のマイナス面である。

その上で、21世紀の科学技術の発展と暮らしのあり方はどうあるべきか、逆に言うと、どうあるべきではないのか、について考えることでその答えを導くことができると私は考える。なぜなら、21世紀の科学技術の発展がどうあるべきではないのかについて考えることによって、自然にそれがどうあるべきなのかが分かると考えたためだ。

まず、21世紀の科学技術の発展と暮らしのあり方としてあるべきではない考え方は、我々が目的としている豊かさとその手段としての技術や発展が主客逆転することにある。

こうした問題が起こる原因は、ひとえに労働市場における市場の失敗にある。短期的にかつ狭い範囲のみで見れば、長時間かつ休みなく働く労働者は企業の業績に余裕を持たせる。だが、こうしたダンピングとも言える状況が長く続くと社会全体が疲弊し、社会全体の活力が失われ、結局は経済成長に負の影響を及ぼす。

このような市場の失敗による、本来我々が目的としている豊かさとその手段としての技術や発展の主客逆転は、私達の生活のあり方が政府によって十分管理されていないことから起こる。ウェアラブルデバイスの活用などを通じて、労働者に対して違法な残業などをさせないあり方を追求することで、労働者にゆとりが生まれ、それが、我々が目的としている豊かさにつながる。

よって、21世紀の科学技術の発展と暮らしのあり方は、あくまでも主眼・目的を我々自身の豊かさに置き、その手段として技術や発展ということを明確にすることが重要になってくる。こうしたあり方により、長時間・休みがない・あくせくした労働から解放されることにより、新たなアイディアなどが生まれる余地も大きくなり、結果として少ない労働時間でも多くの付加価値を産むことができるようになるだろう。

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