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設問
以下の文章を読み、なぜ現代社会には「ムカツク」事態が広がっているのかについて、筆者の見解を参考に、あなたの考えを述べなさい。(500字以内)
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答案構成
この場合、結論・総論として「ムカツク」という語の定義と、「ムカツク」ことの問題を述べる。そして、その根拠・原因について筆者の見解を紹介しつつ自身の考えを記述して、具体例を交えながら吟味を加えると良い。このように基本的には結論・根拠・具体例という構成に依拠する。
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答案例
総論
はじめに、「ムカツク」とは胃のあたりが気持ち悪く吐きたい感じがあるが、吐くこともなく飲み込んで受け入れることもない状態を指す。つまり、社会において「ムカツク」状態とは、主体が事態に対して拒否も受け入れもせず、違和を感じながらも一歩も動き出さない状態である。
原因
その原因として筆者は次の点を指摘する。つまり、主体が管理社会の歯車として自己を規定するために自ら動き出そうとはしないという面と、身動きすることがないがゆえに肥大した自意識の中で小さな違和に対しても敏感になったという面である。
具体例
確かに、今日は、技術の著しい進歩と社会の利便性向上を統御・管理するために巨大な統治機構が整備されている。利便性が向上し、情報化のなかで多くの物事が可視化されて人々が刺激に晒されている社会は、衆人環視の状況となる。このような社会ではフーコーが指摘するように社会規範が画一的に内面化される。つまり、現代社会では、人々が過剰に価値基準を意識して情報という名の刺激に一層敏感になる。そして、人々は管理社会の規範を内面化したことによって、その規範に従い、社会に対して常に受動的な存在になるのだと私は考える。
はじめに、「ムカツク」とは胃のあたりが気持ち悪く吐きたい感じがあるが、吐くこともなく飲み込んで受け入れることもない状態を指す。つまり、社会において「ムカツク」状態とは、主体が事態に対して拒否も受け入れもせず、違和を感じながらも一歩も動き出さない状態である。
その原因として筆者は次の点を指摘する。つまり、主体が管理社会の歯車として自己を規定するために自ら動き出そうとはしないという面と、身動きすることがないがゆえに肥大した自意識の中で小さな違和に対しても敏感になったという面である。
確かに、今日は、技術の著しい進歩と社会の利便性向上を統御・管理するために巨大な統治機構が整備されている。利便性が向上し、情報化のなかで多くの物事が可視化されて人々が刺激に晒されている社会は、衆人環視の状況となる。このような社会ではフーコーが指摘するように社会規範が画一的に内面化される。つまり、現代社会では、人々が過剰に価値基準を意識して情報という名の刺激に一層敏感になる。そして、人々は管理社会の規範を内面化したことによって、その規範に従い、社会に対して常に受動的な存在になるのだと私は考える。(488字)
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