早稲田大学 社会科学部 AO入試 志望理由書 提出例 (笹原宏之研究会向け)

  • 議論の整理・・・

言語は国民のアイデンティティーである。国民が意思疎通を図る際に言葉を介してそれを行うが、当然ながら、言葉にないものをその意思として発露し、それを伝達することは困難である。それ故に、人間意思を伝える際、既にある言葉を用い、あるいは、それらを参照した言葉を用いて相手にその意思を伝達することの方が容易となる。それは、文字に関しても同様である。我が国において、文字は中国から伝わり、それを使用していたが、その際に、国民の文字と語の認識の中で誤字として新たに使用されることとなった文字や、意図的に創作された文字が存在する。それらの文字は、国民の言葉に対する解釈から色濃く影響を受けており、それらを研究することは、その国民の思想を研究することである。

  • 問題発見・・・

では、異体字についてそこから見られる国民の意識はどのように分析することができるだろうか。

  • 論証・・・

私はこれらの問題を解決するためには、異体字に対する知識を前提とし、それらが、どの様に成立し、その当時の国内の情勢がいかなるものであったかを考察することが重要であると考える。たとえば、日本語学の専門家である笹原宏之教授は國が国や????と書かれる点を国家と王に関する意識を指摘した上で本来は崩し字を誤って楷書体化したとみられる字であった。その際に、あるいはそれ以降に種々の字源説や字源意識に字源俗解がなされた。という過程を得ているものがあったと発表している。[1]

  • 結論・・・

そこで、日本語学における文字について、字体規範を専門的に研究するため、日本語学について専門的知識に富む貴学社会科学部の笹原宏之教授の下で、上述の問題点を整理するべく異体字について研究を深めたいと考えている。

貴学社会科学部の笹原宏之研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学社会科学部に入学し笹原宏之研究会に入会することを強く希望する。

 

[1]笹原宏之著『字源説、字源意識、文字に対する意識が字体に与えた影響 : 「國」の異体字に関して』( 国語学研究と資料の会1992-12-31)

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