- 議論の整理・・・
インターアクションは、教師と学習者及び学習者同士における様々な情報の交換のことであるが、学習者によって積極的に作り出されたインターアクションには、インプットの理解可能化を促進するという効果がある。例えば、質問したり、相手の発話を注意して聞いたりすることによって、それまで理解不可能であったインプットが理解可能に変わる。また、意味を理解するためのインターアクションには、具体例を出したり言い換えたりして、相手が意味している内容について交渉する形で相互の理解を促進するという効果がある。
- 問題発見・・・
では、「多対1」の一方的な構造になってしまいがちな、ドイツ語などの第二外国語習得の場面で、どのようにインターアクションを実践することができるのだろうか。
- 論証・・・
私は、これらの問いに答えるには、インターアクションと第二外国語習得の関係について論じた先行研究の正確かつ緻密な理解を前提として、指導者と学習者の双方の視点から考察を行うことが重要だと考える。例えば、言語学者の星井牧子教授は、よりよいドイツ語教育を目指し、大学における授業や事業の中でのインターアクションの特徴の一つは、複数の学習者に対して教師は一人という「多対1」の構造になっている点であるとしたうえで、そうした構造や学習者の発話と「内的な発話」との関係も考慮していく必要があると指摘している[1]。
- 結論・・・
そこで、外国語の授業における発話の際のインターアクションと学習者の活動、ドイツ語習得過程と学習計画および学習デザインなどを専門的に研究し、教授法・学習理論、談話研究、ドイツ語教育の専門家として名高い貴学法学部の星井牧子教授に師事し、上述の問題点を整理するべく第二外国語習得について研究を深めたいと考えている。
貴学法学部の星井牧子研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学法学部に入学し星井牧子研究会に入会することを強く希望する。
[1] 星井牧子「学習者から見た授業とは?」Waseda Blätter10号(2003年)82-90頁。
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