早稲田大学 法学部 AO入試 志望理由書 提出例(グユルベルク・ニールス研究会向け)

  • 議論の整理・・・

講式は、日本で10世紀後半に成立した仏教儀式であり、仏典に節をつけた宗教音楽である声明のうち、語りものの部分である。また、日本語で語られたという点において、他の儀式と異なっていることに加え、音楽、舞踊、演劇、絵画などの要素を含む一つの独特な総合的文化体系である。そのため、講式は、文学・文化・宗教研究における貴重な資料である。

講式という仏教儀式と文学とは非常に密接な関わりがあるにも関わらず、こうした関係についての本格的な研究はほとんど行われていないのが現状である。

  • 問題発見・・・

では、講式にはどのような文学的意義があるのだろうか。また、講式を文学的に研究するとは、仏教学や国語学における講式研究と比較して、どのような作業といえるのだろうか。

  • 論証・・・

私は、これらの問いに答えるには、インドや日本の歴史や社会情勢の正確かつ緻密な理解を前提として、インドや日本の思想史を体系的に理解することも重要だと考える。例えば、グユルベルク・ニールス教授は、まず講式とはどのようなものかということを説明したうえで、現存の約300種類の講式作品の中から、中世文学研究における謡曲、説話、和歌、軍記などのいくつかの分野にとって重要なものを紹介し、それらに対して簡単な解説を加えている[1]

  • 結論・・・

そこで、フェーロー語の文法・語彙、大正・昭和初期における西洋哲学の受容、西田哲学などを専門に研究し、インド哲学、ドイツ語・ドイツ文学、国文学の専門家として名高い貴学法学部のグユルベルク・ニールス教授に師事し、上述の問題点を整理するべくインドや日本の文学や思想史について研究を深めたいと考えている。

貴学法学部のグユルベルク・ニールス研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学法学部に入学しグユルベルク・ニールス研究会に入会することを強く希望する。

[1] グユルベルク・ニールス「研究発表 中世文学における講式の意義」国際日本文学研究集会会議録17号(国文学研究資料館、1994年)24-36頁。

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