早稲田大学 法学部 AO入試 志望理由書 提出例(田山聡美研究会向け)

  • 議論の整理・・・

情報化が進む今日の社会において、情報の価値は高まる一方である。2014年、ベネッセ事件が起こった際に、刑法の窃盗罪で処罰できないのみならず、該当する処罰規定が存在しなかったため、個人情報保護法でも処罰することができなかった。

こうした問題を受け、2015年、個人情報保護法が改正され、個人情報取扱事業者等が業務に関して取り扱った個人情報データベースなどを、自己や第三者の不正な利益を図る目的で提供または盗用した場合には、個人情報データベース等提供罪(個人情報保護法第83条)に該当することとなった。

  • 問題発見・・・

では、情報の財産的価値について、法的な視点からは、どのように分析することができるだろうか。また、国民の利益を保護するために、どのような法改正や立法が求められるだろうか。

  • 論証・・・

私は、これらの問いに答えるには、刑事法に関する正確かつ緻密な歴史的発展過程の理解を前提として、諸外国における議論を整理することが重要だと考える。例えば、情報取得行為と利用可能性を喪失させる行為の別個性の問題について、行為者が情報を盗むと同時に元のデータを消去してしまったとしても、それは喪失と取得が表裏一体なのではなく、全く別々の二つの行為が同時的に行われているに過ぎないとみるべきであろうと指摘する研究[1]があり、情報を含む財産的利益の意義をめぐる議論について理解を深めることができる。

  • 結論・・・

そこで、財産犯における客体と損害概念、財産的利益の意義に関する議論の整理、不動産を客体とする財産犯などを専門に研究し、刑事法学の専門家として名高い貴学法学部の田山聡美教授に師事し、上述の問題点を整理するべく情報の財産的価値や望ましい法政策のあり方について研究を深めたいと考えている。

貴学法学部の田山聡美研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学法学部に入学し田山聡美研究会に入会することを強く希望する。

[1] 田山聡美「財産的利益の意義に関する議論の整理」刑事法ジャーナル49号(2016年)15-22頁。

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