2020年 上智大学公募推薦入学 総合グローバル学部・総合グローバル学科 小論文 解答例

議論の整理(要約)

この文章では、地質年代の定説のゆらぎや、学説の衝突について論じている。これまで、最終氷期の終わりと共に始まった完新世が現代の続いているというのが通説である。火山の大噴火や惑星の衝突、劇的な気候変動を、それ以降の地球は経験していないことが、その根拠である。しかしながら、新たな学説によると、人間の諸活動により、地質の変化が起こっている。それにより生じた次の地質を人新世と命名。そのほか、植民地主義的に不平等な資本蓄積により特徴づけられる資本世という定義も提案されている。

問題発見

熱帯雨林の消失は、人新世のはじまりのひとつである。この変化は、いつから、どのような原因で、誰の責任により始まったのだろうか。

論証

熱帯雨林が消失し始めたのは20世紀前半である。熱帯雨林がある発展途上地域では、爆発的な人口増加により、食糧が不足するようになった。そこで森林を開墾して農地に変えていった。その結果、熱帯雨林が消滅していくこととなった。

熱帯雨林の消滅は、特定の責任があるわけではなく、経済システムの変化による。人口増加は、植民地化されていた、あるいは輸出資源や作物がある国々で、貨幣が流入したことで起こった。ここから、資本世という考えをとることもできるが、森林の伐採そのものは、人間が地球上に誕生して活動領域を広げるなかで積み重ねられている。それを一気に加速させたのが、発展途上地域の人口増加と、それを解消するための熱帯雨林の消失である。

結論

人新世のはじまりの象徴として熱帯雨林の消失を挙げられる。それは20世紀初頭からはじまり、経済システムの変化により加速した。ただし人新世は、火山の大噴火のように特定のタイミングで始まるわけではなく、それ以前からの蓄積によりもたらされるという違いがある。

吟味

人新世は、複数の要因が絡み合いながら突入している。そこで、複数の要因の関係性を追求することも必要だと思った。(801文字)

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