議論の整理(要約)
鞆の浦の埋め立て計画に賛成する理由は、その地域に住む住民の生活の利便性が高められることである。鞆の浦に通っている県道はとても狭く、渋滞に悩まされている。人口も減少しており、周辺からの移住を促す必要がある。鞆の浦の一部を埋め立てて橋を架けることで、地域を活性化させることが、賛成派の望みである。
それに対して反対派は、古代から形成されてきた景観を、橋を架けるために安易に壊すべきではないと訴えている。自然の景観は、いちど壊したら取り返せない。今回の埋め立て計画の白紙化は、景観と利便性のバランスをとることの難しさを露呈させることとなった。
問題発見
広島県を始めとする地元の自治体は、景観を活かした町づくりを進めていくほうが、経済効果の連鎖を期待できるのではないだろうか。
論証
鞆の浦は「崖の上のポニョ」に登場する町のモデルとして知られている。ジブリ作品は、テレビで定期的にリピート放映されていることから、今でもファンが増え続けている。さらに、世界でもジブリ映画のファンは多い。そのため、そのモデルとなった町のことを知りたいと思う人は一定数いることは確実である。
近年の日本では、聖地巡礼と観光旅行を結び付けたプロモーションが力を発揮している。のちに大々的に注目されるチャンスがあっても、橋を架けるために壊してしまったら、鞆の浦の景観のいちばんいい状態を発信することができない。そのとき、橋を架けたことに後悔するのは、そこに長年住み続けている地域住民なのではなだろうか。
結論
そこで私は、橋を架けるのではなく、支援制度の充実に重きを置いたほうがいいと考える。県道の渋滞を解消し、外からの移住を促すために、コミュニティバスやレンタサイクルなど、移動手段を充実させる。外からの移住を促すためには、住みかえ支援や子育て支援に予算を回すのが有効であると思う。
吟味
それと同時に、テレビや映画撮影を積極的に誘致して、鞆の浦をブランド化することで、さらなる経済効果が生まれるのではないか。(839文字)
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