上智大学 神学部 神学科 編入学試験(2月募集) 2018年 小論文 解答例

■ 設問

次の文章を読み,問に答えて論述してください。

(略)

この文章を読んで,

1) キリスト教における「自由」の特徴について述べ,

2) その「自由」と,人間の幸福との関係について,具体的な例を上げながら論述してください。(注:文字数指定なし)

 

■ 答案構成

議論の整理→ キリスト教における自由とは

問題発見→ 自由と人間の幸福

論証→ アダムとエバの選択

解決策or結論→ 自由な選択と正しい選択

結論の吟味→ 幸福への選択

 

■ 答案

議論の整理→ キリスト教における自由とは

キリスト教における自由とは,神から与えられた道徳律を受け入れることで成り立つものである。そして人間は自分で自由に判断する力を持つことで,自分自身を作り上げ,自らを育て,社会秩序を作り上げるのである。そしてもし人間が神の道徳律に背くなら,自分自身の自由を損ない,自らを縛り,他との関係を破ることになり,神の真理に反することになるのである。

問題発見→ 自由と人間の幸福

では,その自由を得ることは人間の幸福に繋がるのだろうか。

論証→ アダムとエバの選択

ここで創世記に書かれてある「善悪の知識の木」について考える。神は,なぜ人間のルーツであるアダムとエバに「善悪の知識の木」をお与えになったのか。全く不自由のない楽園の中で「善悪の知識の木の実を食べてはいけない」ことは唯一の秩序であり神からの道徳律であった。それを破るという自由な選択をした二人は,自分たちばかりか後の人間世界に,悪,罪,病,死という苦しみを残すこととなった。しかしこれは神が人間を試したのではなく,人間に自らの意思で選択する自由を与え,正しい選択をすることで,人間にとっての完全な自由を得ることを望んだのではないかと考える。

解決策or結論→ 自由な選択と正しい選択

このように,人間ではなく神だけが善悪を定める力を持つ世界において,自由に生きるということは,何を選択してもよいということではなく,正しい選択をする自由を考えるべきなのである。

結論の吟味→ 幸福への選択

そして,数々の誘惑や欲に迫られても「善悪と知識の木」の前で立ち止まり,正しい選択をする自由を行使することが,人間の幸福へと繋がるのだと考える。

 

キリスト教における自由とは,神から与えられた道徳律を受け入れることで成り立つものである。そして人間は自分で自由に判断する力を持つことで,自分自身を作り上げ,自らを育て,社会秩序を作り上げるのである。そしてもし人間が神の道徳律に背くなら,自分自身の自由を損ない,自らを縛り,他との関係を破ることになり,神の真理に反することになるのである。

では,その自由を得ることは人間の幸福に繋がるのだろうか。

ここで創世記に書かれてある「善悪の知識の木」について考える。神は,なぜ人間のルーツであるアダムとエバに「善悪の知識の木」をお与えになったのか。全く不自由のない楽園の中で「善悪の知識の木の実を食べてはいけない」ことは唯一の秩序であり神からの道徳律であった。それを破るという自由な選択をした二人は,自分たちばかりか後の人間世界に,悪,罪,病,死という苦しみを残すこととなった。しかしこれは神が人間を試したのではなく,人間に自らの意思で選択する自由を与え,正しい選択をすることで,人間にとっての完全な自由を得ることを望んだのではないかと考える。

このように,人間ではなく神だけが善悪を定める力を持つ世界において,自由に生きるということは,何を選択してもよいということではなく,正しい選択をする自由を考えるべきなのである。

そして,数々の誘惑や欲に迫られても「善悪と知識の木」の前で立ち止まり,正しい選択をする自由を行使することが,人間の幸福へと繋がるのだと考える。(623字)

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