上智大学 総合人間科学部 社会学科 海外就学経験者入試 2017年  小論文 解答例

■設問

新聞記事を読んで、以下の三つの質問に答えてください。

■設問

記事では、戦場で敵を殺し、重い体験を引きずる恐怖と、殺さなければ滅ぼされるという「兵士のジレンマ」について言及されている。これを克服するためにアメリカ軍で行われたのはどのようなことだったか。記事の内容から説明しなさい。

■答案構成

議論の整理 → 「兵士のジレンマ」を克服するためにアメリカ軍で行われたこと

論証・結論 → 訓練により「人殺しを拒む本能」に耐性をつけるということ

■答案

議論の整理 → 「兵士のジレンマ」を克服するためにアメリカ軍で行われたこと

論証・結論 → 訓練により「人殺しを拒む本能」に耐性をつけるということ

「兵士のジレンマ」を克服するためにアメリカ軍で行われたのは、訓練により「人殺しを拒む本能」に耐性をつけるというものであった。

具体的には、射撃訓練の際、標的を丸型のものから人型のものに変え、刺激と反応を何百回も繰り返すことによって意識的な思考を伴わずに人を撃てるようにするというものであった。(145字)

「兵士のジレンマ」を克服するためにアメリカ軍で行われたのは、訓練により「人殺しを拒む本能」に耐性をつけるというものであった。

具体的には、射撃訓練の際、標的を丸型のものから人型のものに変え、刺激と反応を何百回も繰り返すことによって意識的な思考を伴わずに人を撃てるようにするというものであった。(145字)

 

■設問

記事では、戦場で敵を殺すことによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)の克服についてアメリカ軍で行われたのはどのようなことだったか。記事の内容から説明しなさい。

■答案構成

議論の整理 → 戦場で敵を殺すことによるPTSDの克服のためにアメリカ軍で行われたこと

論証・結論 → 以下の3点

■答案

議論の整理 → 戦場で敵を殺すことによるPTSDの克服のためにアメリカ軍で行われたこと

論証・結論 → 以下の3点

戦場で敵を殺すことによるPTSDの克服のためにアメリカ軍で行われたのは、以下の3点である。

一つ目は世論が賛成しない戦争には兵士を送らないということである。二つ目は戦場に送るのは徴兵した兵士ではなく、十分に訓練された志願兵であるということである。そして、三つめは、そうした志願兵が、絆を深めた部隊単位で戦うようにするということである。(166字)

戦場で敵を殺すことによるPTSDの克服のためにアメリカ軍で行われたのは、以下の3点である。

一つ目は世論が賛成しない戦争には兵士を送らないということである。二つ目は戦場に送るのは徴兵した兵士ではなく、十分に訓練された志願兵であるということである。そして、三つめは、そうした志願兵が、絆を深めた部隊単位で戦うようにするということである。(166字)

 

■設問

アメリカ軍で行われた➀と②の取り組みのうち、あなたが共感もしくは違和感を感じた点を二つ挙げ、その理由を論理的に述べてください。なお、二つの共感・違和感については、二つとも共感/違和感でも、どちらか一方のみが共感/違和感でも、どちらでも構いません。

■答案構成

議論の整理 → 上記➀と②のうち、違和感を抱いたこと

論証・結論1 → ➀の「兵士のジレンマ」を克服するためにアメリカ軍で行われた訓練

論証・結論2 → ②のうち、戦場に送るのは徴兵した兵士ではなく志願兵であるということ

■答案

議論の整理 → 上記➀と②のうち、違和感を抱いたこと

ここで挙げる以下の2点は、いずれも私が違和感を覚えたことである。

論証・結論1 → ➀の「兵士のジレンマ」を克服するためにアメリカ軍で行われた訓練

1点目は、➀の「兵士のジレンマ」を克服するためにアメリカ軍で行われた訓練である。それは、「人殺しを拒む本能」に耐性をつけるというものであった。しかし、その本能とはもともと個人が他者を尊重しつつ健全な生活を送るためにも、社会秩序のためにも必要不可欠な本能である。アメリカ軍は戦争の「効率」を高めるために一時的にその正常な本能を麻痺させたのである。しかし、兵士はいずれ社会に復帰する。そのとき、本来の本能も回帰する筈だ。一時的に正常な本能失ったことによって人を殺したことと本来の本能の狭間で、兵士が苦しみPTSDを発症するのは当然のことである。私が違和感を抱いたのは以上のような理由による。

論証・結論2 → ②のうち、戦場に送るのは徴兵した兵士ではなく志願兵であるということ

2点目は、②のうち、戦場に送るのは徴兵した兵士ではなく志願兵であるということである。このことは一見、合理的な施策のように見える。しかし、志願兵は全員、心から戦争に参加することを願って志願しているのだろうか。中には経済的理由や家庭の事情で志願する人もいるのではないか。もし本当に望んで戦争に行ったとしても、その価値観はその後の人生においてもずっと変わらないと言い切れるだろうか。また、兵士の家族が抱く感情は、徴兵された兵士と志願兵とで異なるのだろうか。このように考えると、志願兵を現地に送るという方策の問題点が見えてくる。志願兵が必ずしも戦場に赴くことを望んでいない場合があるということ、また、その兵士のその後の人生に及ぼす影響やその兵士をとりまく家族への配慮を欠いているという点である。以上の理由から、私は志願兵を戦場に送るというアメリカ軍の施策に違和感を覚える。(707字)

ここで挙げる以下の2点は、いずれも私が違和感を覚えたことである。

1点目は、➀の「兵士のジレンマ」を克服するためにアメリカ軍で行われた訓練である。それは、「人殺しを拒む本能」に耐性をつけるというものであった。しかし、その本能とはもともと個人が他者を尊重しつつ健全な生活を送るためにも、社会秩序のためにも必要不可欠な本能である。アメリカ軍は戦争の「効率」を高めるために一時的にその正常な本能を麻痺させたのである。しかし、兵士はいずれ社会に復帰する。そのとき、本来の本能も回帰する筈だ。一時的に正常な本能失ったことによって人を殺したことと本来の本能の狭間で、兵士が苦しみPTSDを発症するのは当然のことである。私が違和感を抱いたのは以上のような理由による。

2点目は、②のうち、戦場に送るのは徴兵した兵士ではなく志願兵であるということである。このことは一見、合理的な施策のように見える。しかし、志願兵は全員、心から戦争に参加することを願って志願しているのだろうか。中には経済的理由や家庭の事情で志願する人もいるのではないか。もし本当に望んで戦争に行ったとしても、その価値観はその後の人生においてもずっと変わらないと言い切れるだろうか。また、兵士の家族が抱く感情は、徴兵された兵士と志願兵とで異なるのだろうか。このように考えると、志願兵を現地に送るという方策の問題点が見えてくる。志願兵が必ずしも戦場に赴くことを望んでいない場合があるということ、また、その兵士のその後の人生に及ぼす影響やその兵士をとりまく家族への配慮を欠いているという点である。以上の理由から、私は志願兵を戦場に送るというアメリカ軍の施策に違和感を覚える。(707字)

 

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