上智大学 経済学部 特別入試 志望理由書 提出例(杉谷陽子ゼミ向け)

■ 議論の整理
近年の「ブランド」のあり方は、老舗の高級ブランドを指す従来の枠を超え、多様な層がより身近に感じられる新しいタイプのブランドが興隆している。その背景には、広告媒体の変質ーマスメディアからSNSなどを含む多様な媒体へーがあることは言うまでもない。また、新ブランドの購買層は多様な年代を含んでいるため、そのマーケティングコミュニケーションの方法も、従来とは異なる多様な戦略が模索されている。

■ 問題発見
近年の多くのブランド研究では、 「感情」を重要な手がかりとして、消費者心理の動向を追っている。では、どのような感情がブランドの構築や購買意欲を促すのか。 また、どのようなマーケティングの手法が企業にとって効果的なのだろうか。また、SNSは拡散力の高さにおいては他のメディアの比ではないが、よい口コミや好評価も悪い口コミや低評価も消費者その他の感情の起伏に踊らされやすい傾向がある。そのため、負の評価やイメージに一時的に晒されても動じにくい、あるいは回復の早い、弾力性のあるブランドイメージ構築やマーケティング戦略が必要ではないだろうか。

■ 論証
杉谷は、 「憧れ」と「愛着感」という感情を取り上げ、自分らしさや共感、思い入れなどが込められた「愛着感」の感情がブランドイメージの構築に有効であるとしている※1。さらに、 SBC(Self-brand Connection ) などの概念を活用し、自己とブランドをつなぐ感情的絆を上昇させる戦略の重要性を提起している※2。私はこれに加え、ターゲット層の年齢変化やメディア媒体の特性を考えると、感情的絆は力を加えるとボキッと折れやすい「強固」さよりも、多少の圧力にもしなやかに対応する「弾力性のある」ものにシフトしていくだろうと考えている。

■ 結論
このことを念頭に、マーケティングの媒体に即した、より効果的で弾力性のあるブランド戦略の動向を追いたい。そのためには、オンライン状の調査とともに、ブランドターゲット層が集まる場でのインタビューやフィールド調査も有効だと考える。

■ 結論の吟味
上記の研究をするために、ブランドマーケティングについて社会心理学の観点から先進的に研究を進めている杉谷陽子教授のゼミに入会することを強く希望する。

※1 杉谷陽子(2013) 「新規ブランド構築における消費者の感情の役割」上智經濟論集第第58巻 1・2号
※2 杉谷陽子₍2018₎ 「ブランドへの愛着と購買意欲ー準拠集団におけるブランド採用の効果ー」 マーケティングジャーナルVoL37 No.3

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