上智大学 神学部 特別入試 志望理由書 提出例(森裕子ゼミ向け)

■ 議論の整理
様々な宗教音楽の中でも、キリスト教の儀礼と音楽は他に類を見ないほどの重要な位置を占め、人々の日々の祈祷に深く根差している。聖歌や讃美歌、カンタータなどの教会音楽は、その芸術性においても信徒以外の人々からも注目されてきたが、これらそのもののが礼拝の一部であるという本質の部分を取り除いては成立しえない。それゆえに、教会音楽についてはそのあり方について様々な論議や典礼音楽改革運動の中で問い直されてきた※。

■ 問題発見
しかし、教会音楽の諸相を捉えようとする時、世俗的なヨーロッパの芸術の発展と完全に切り離すことは難しい。伝統回帰か革新かといった単純な対立構造に落とし込むこともまた、教会音楽の持つ特異性や本質を見損なうことにつながってしまう。また、教会音楽をテーマとして進学を考える私にとっては、神学と音楽とどちらの分野で学ぶのがよいのかという、差し迫った現実的課題もある。では現代における教会音楽を捉えるためにはどのようなアプローチが必要であろうか。

■ 論証
私は神学か音楽かといった学部ではなく、以下の2つの側面からこのことを捉えなおしてみた。そして、どちらも重要であり、これらを学際的に横断しながら学びたいと考えている。
①教会音楽について学ぶ
教会音楽の歴史や学派、改革運動などについて学問的にアプローチすること。具体的には1960年代の第2バチカン公会議での議論やその前身となる南ドイツのセシリア運動などを手掛かりに、先行研究等から学ぶ。
②教会音楽とともにあり、教会音楽を通して学ぶ
私自身が日々の儀礼的実践の中に身を置いて学ぶ。教会音楽の世界や議論を学べる海外大学への留学も視野に入れている。

■ 結論
上記の視点を持って学ぶためには、キリスト教の建学の理念と実践の場、研究の場があり、研究面においても宗教的実践においてもグローバルに開かれた上智大学は、私にとって最適な学びの場である。さらに、教会音楽に関して音楽と神学の両面から学際的な研究と実践を蓄積している森裕子教授に師事することを強く希望する。

※清水康宏. (2018). 「教会音楽」 と 「宗教音楽」――アルベルト・ゲレオン・シュタインの教会音楽論――. 音楽学, 64(2), 113-126.

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