上智大学 経済学部 特別入試 志望理由書 提出例(杉本徹雄ゼミ向け)

■ 議論の整理
近年のオンラインショッピングの拡大は、企業のリスクコミュニケーションにも大きな影響を与えていると言える。従来、企業と消費者間のリスクコミュニケーションは、何か不祥事や不手際が起こった際に行われる、対処療法的な戦術としての認識が強かった※。しかし、従来は店頭で説明を聞き、保障内容を確認して購入していたような電化製品も、鮮度や安全性の情報を消費者が手にとって確認していた生鮮食品などもオンラインで購入できるようになった昨今、企業側が発信するリスク情報の提供のあり方は、信頼感あるいは不信感といった消費者感情を大きく左右するだろう。

■ 問題発見
にもかかわらず、隠蔽や偽装などの違反行為が起こり、消費者の感情が企業から離れてしまう「リスクコミュニケーションの失敗」が後を立たないのはなぜだろうか。

■ 論証
従来の研究では、その失敗の理由を組織の問題として捉え、考察が行われてきたが、近年では社会心理学のコミュニケーション研究に基づき、リスクコミュニケーションにおける消費者意識や考え方に焦点を当てるものが増えている。花尾と杉田はさらに、情報の送り手に対する信頼が消費者の関心・理解・参加意識に影響を与えるという効果について実証的に研究をしている※。このことを念頭に置けば、有事の対処療法的リスクコミュニケーションではなく、普段からの信頼構築のためのリスクコミュニケーション促進努力が、信頼のおける企業イメージの構築にとって重要な取組であると言えるだろう。

■ 結論
上記のような研究において、日本国内だけで効果のあるケースを探すことは、日本に浸透した特有の企業文化の観点からも難しいと考える。そこで、リスクコミュニケーションの手法に伝統のある国のケースも交えて調査していきたいと考えている。

■ 結論の吟味
以上のような問題意識を追求していくためには、グローバルに開かれた学習環境の貴学に進学し、消費者心理学とマーケティング理論に精通している杉本徹雄ゼミに入会することを強く希望する。

※花尾由香里・杉本徹雄(2009)「企業のリスクコミュニケーションに対する対応姿勢と消費者の参加意識についての分析」 産業・組織心理学研究、第23巻、第1号、29‐42

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