慶應義塾大学 文学部 小論文 1998年 解説

・ 問題文

(間1)この文章を読んで、筆者の考え方の筋道がわかるように、全文を要約しなさい(三○○字以内)。
(間2)言語活動を人間独自の進化とする筆者の見方を考慮した上で、言語と人間との関係についてあなたの考えを述べなさい(四○○字以内)。

・ 問題の解き方

 要約を300字で行う際には、結論・根拠・具体例を用いる形と、5STEPsの中の議論の整理を用いる形、5STEPsを用いる形の3点があるが、本稿問一は5STEPsの中の議論の整理を用いる形、5STEPsを用いる形の合わせ技で、5STEPsの中の議論の整理パートにある共通の前提と、議論の論点を強調しながらも、5STEPsを用いて整理する。
 問二についても5STEPsを用いて整理する問題である。”言語と人間との関係についてあなたの考えを述べなさい”と言われると途端に何を書いていいかわからなくなることがあるが、”言語と人間との関係についてあなたの考え(問題だと考える部分とその克服方法)を述べなさい”というふうに設問を読み替えると解きやすい。

・ 模範解答

問1

動物の持っている意識と人間が持っている意識の共通点……

動物にせよ、人間にせよ、喜怒哀楽や推理、発見などといったような意識1はすべての動物が、その精度の高低はあれど、誰しもが持っているものだ。

動物の持っている意識と人間が持っている意識の相違点……

一方、意識していること自体を意識するといったような意識は人間しか持ち得ないものだ。人間は自らの意識を俯瞰的に観察し、把握することができるが、こうした特性をもつ動物は皆無である。

筆者の問題提起……

なぜ動物が自らの把握している時間的・空間的領域を拡張できないのか、また一方でなぜ人間にはそうした拡張が可能であるのかについてここでは述べていきたい。

筆者の論証……

まず、動物は自らが意識している世界からしか学ぶことができない。一方で、人間は自らが意識している世界や、他者が意識していた世界を俯瞰的に意識することができる。

筆者の結論・解決策or結論……

この高次の意識こそが、人間が把握できる時間的・空間的領域を飛躍的に拡大させた。
動物にせよ、人間にせよ、意識1はすべての動物が誰しもが持っているものだ。
一方、意識していること自体を意識するといったような意識は人間しか持ち得ないものだ。
なぜ動物が自らの把握している時間的・空間的領域を拡張できないのか、また一方でなぜ人間にはそうした拡張が可能であるのかについてここでは述べていきたい。
まず、動物は自らが意識している世界からしか学ぶことができない。一方で、人間は自らが意識している世界や、他者が意識していた世界を俯瞰的に意識することができる。
この高次の意識こそが、人間が把握できる時間的・空間的領域を飛躍的に拡大させた。(273字)

問2

議論の整理……

言語活動は、人間だけが行いうる活動である。もちろんある一種の記号的な使い方による意思疎通を鳴き声や超音波などによって動物が行うことはあるが、おおよそ他者の意識を自ら把握した上で、より広い空間・時間について言及できるのは人間のみが持つ能力といえよう。

問題発見……

このように言葉は、その事柄の属する空間や時間を問わずに、そうした事柄について記述する上では大変便利なものである。だが、それ以上にこうした意思疎通手段は認識の齟齬を生み出す危険性がある。

論証……

たとえば、AさんがBさんの意識を共有しようとする際には、AさんはAさんの思考の枠組みをもって、Bさんの意識を共有しようとする。このようにして、Bさんとまったく同じ意識を持つことが甚だ不可能であることは誰も異論を挟むまい。

解決策or結論……

こうした齟齬を少しでも少なくするためには、意識を共有スル際には誤解が生じないように言葉を尽くすほかない。特に主語や対象語、根拠の欠落はこうした齟齬を生みやすいため注意する必要がある。
言語活動は、人間だけが行いうる活動である。おおよそ他者の意識を自ら把握した上で、より広い空間・時間について言及できるのは人間のみが持つ能力といえよう。
このように言葉は、その事柄の属する空間や時間を問わずに、そうした事柄について記述する上では大変便利なものである。だが、それ以上にこうした意思疎通手段は認識の齟齬を生み出す危険性がある。
たとえば、AさんがBさんの意識を共有しようとする際には、AさんはAさんの思考の枠組みをもって、Bさんの意識を共有しようとする。このようにして、Bさんとまったく同じ意識を持つことが甚だ不可能であることは誰も異論を挟むまい。
こうした齟齬を少しでも少なくするためには、意識を共有する際には誤解が生じないように言葉を尽くすほかない。特に主語や対象語、根拠の欠落はこうした齟齬を生みやすいため注意する必要がある。(372文字)

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第3章 うつでも参入できる市場はどこか考えよう
第4章 うつでもできるビジネスプランを考えよう
第5章 払ってはいけないお金を考えよう
第6章 モチベーションについて考えよう
第7章 事業を継続させる方法を考えよう
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