早稲田大学 法学部 AO入試 志望理由書 提出例(萬歳寛之研究会向け)

  • 議論の整理・・・

国際法の根本となる考え方は、「pacta sunt servanda(パクタ・スント・セルバンダ:合意は拘束する)」であるとされる。政府間の合意については、政権が変わっても安定して継続されることが従来の前提であったが、昨今の国際社会では、世論に流されて合意が反故にされる傾向が見られる。例えば、イギリスの欧州連合離脱に向けた動き、アメリカでのトランプ大統領就任に伴う大横領令の数々をどう捉えるべきであろうか。

2001年、国連国際法委員会は、約40年間の議論を経て「国家責任条文」を採択したが、国連総会において留意されたものの条文化されていない。つまり、諸国は、一般的国家責任制度の構築を目指す国家責任条文の意義を認めつつ、これを拘束的規範として承認するまでには至っていないとされる[1]

  • 問題発見・・・

では、国家責任条文は、諸国にとって今後どのような影響を与えうるのであろうか。

  • 論証・・・

私は、これらの問いに答えるには、国家責任条文が採択された背景の理解を前提として、国際法上の違法行為責任概念の歴史的発展過程と国際司法裁判所による実際の賠償認定を考察する必要があると考える。例えば、賠償概念を詳細に分析し、現在では、原状回復、金銭賠償、満足という伝統的な形態に加えて、中止や再発防止の確約・補償を別個に規定し、「賠償」よりも「回復」を目的とする新しい国際請求の在り方を模索する動きがあり、国家責任条文もその一つであると整理する研究がある[2]

  • 結論・・・

そこで、国際法を専門に研究し、国際責任法の専門家として名高い貴学法学部の萬歳寛之教授に師事し、上述の問題点を整理するべく国家の違法行為責任について研究を深めたいと考えている。

貴学法学部の萬歳寛之研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学法学部に入学し萬歳寛之研究会に入会することを強く希望する。

[1] 萬歳寛之「条約規定としての国家責任条鋼の機能」早稲田大学社会安全政策研究所紀要(2015年)5頁。

[2] 萬歳寛之「国際責任法における賠償概念の特質」早稲田法学88巻2号(2013年)128頁。

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