- 議論の整理・・・
現代の日本社会では、深刻化する少子・高齢化の影響により、人手不足が進行している。高齢化で老年人口の需要が増加しているにもかかわらず、少子化で生産年齢人口の供給が減少しているため、医療・介護分野等で需要と供給のギャップが生じている。
そうした状況の中、日本でも外国人労働者の受け入れが行われているが、外国人労働者と日本人労働者の間にある格差拡大が問題となっている。1993年に「技能実習制度」が創設されたが、外国人労働者は「技能実習生」として扱われるため、日本人労働者と比べ極めて低賃金である。また、歴史的経緯を考えると、事実上、単純作業労働者の受け入れルートとして機能してきたとの見方もあり、ブスタマンテ報告では「現代版奴隷制度」という表現で強く批判された[1]。
- 問題発見・・・
確かに、技能実習制度は、労働者であるのに転職の自由がない、安価な労働力の供給源として利用されている、監理団体により中間搾取が行われているなどの問題があり、「人権侵害の温床」と指摘されてきた。では、外国人労働者の人権を保障するためには、どのような立法や法解釈が行われるべきなのだろうか。
- 論証・・・
私は、これらの問いに答えるには、日本の労働法が制定された背景の理解を前提として、英米法や大陸法における立法や解釈論と比較する必要があると考える。例えば、韓国では「雇用許可制」という制度を作り、ベトナムなどから単純労働者を受け入れているが、送り出し国には政府事務所を置いて仕事を紹介し、悪質なブローカーを排除しようとしている。
- 結論・・・
そこで、労働法を専門に研究し、労働法の専門家として名高い貴学法学部の竹内寿教授に師事し、上述の問題点を整理するべく労働者の権利について研究を深めたいと考えている。
貴学法学部の竹内寿研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学法学部に入学し竹内寿研究会に入会することを強く希望する。
[1] 国連広報センタープレスリリース「移住者の人権に関する国連専門家、訪日調査を終了」2010年3月31日(https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/2805/)。
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