■議論の整理
文部科学省の「平成29年度 問題行動・不登校調査」によると、病気または経済的事情以外で年間30日以上欠席した児童生徒数は14万人を超えている。しかし、この数字の背景には、従来の「学校には絶対に通わなくてはいけない」という価値観から、「フリースクールなどそれぞれの児童生徒にあった環境での教育が重要である」と考えられるように変化したことも関係していると考察できる。不登校の理由にも様々あるが、学校での人間関係をきっかけであると答えている人が多い。同じように、日本財団の「自殺意識調査」では、自殺念慮を持ったきっかけにいじめをあげる人は49%だった。これらのことから、学校内の人間関係の不和は不登校のみならず自殺のきっかけにもなりかねない危険なものであることがわかる。
■問題発見
いじめなどの人間関係の問題を抱えた時、「学校に行かない」という選択肢を取ることができる人はまだ良いのかもしれない。一方で、苦しくとも学校に通い続けている児童生徒は家庭でも学校での苦しみを話せていない可能性がある。不登校が社会問題とされる中、このような通い続けているが苦しい思いをしている児童生徒へのケアは充分だと言えるだろうか。
■論証
不登校・いじめへの対応は、スクールカウンセラーの対象業務の中でも最も重要なものと位置付けられている。しかし、大津いじめ事件の際にはスクールカウンセラーがいじめを認めないことを教頭と示し合わせていたことが問題視された。スクールカウンセラーがいじめ被害者に寄り添えていなかったことは明白である。
■結論
スクールカウンセラーという立場ではいじめの解決は難しいのかもしれない。しかし、被害を受けている児童生徒の心のケアに取り組むことは不可欠だ。いじめに対してどのように立ち向かっていくべきなのかを学びたい。
■結論の吟味
以上の理由から、早稲田大学教育学部教育学科教育学専攻教育心理学専修に入学し、本田恵子教授のもとで学びたい。
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