議論の整理
社会保障の役割とは、利益を追求する市場経済のなかで、民主主義を維持することである。たとえば現在の日本では、現役世代はさまざまな形で働くことで、国家に利益をもたらしている。退職後や病気療養のときは、年金・介護・医療等の社会保障を受けられる。
「強者は強者として生き、弱者は弱者として生きる」ことを強要せず、弱者とならざるをえない者に適切に分配することが社会福祉の役割である。
政府の役割とは、このような経済論理を正しく運用することである。それができなければ、社会保障・社会福祉の制度のみならず、市場経済そのものが破綻してしまう。
問題発見
現在の日本では、少子高齢化や経済不況の影響もあり、社会保障制度が危機に瀕している。それは、社会保障、社会福祉、政府の役割がうまく機能していないからではないか。
論証
現在の日本は、少子高齢化の影響により、年金・介護・医療を保障するための財源が不足しつつある。そこで、現役世代から財源を確保する必要に迫られている。しかしながら現在の50代から40代にかけては就職氷河期世代であり、生活にゆとりがない人も少なくない。それ以下の世代も、かつてとくらべると給与やボーナスが十分に支給されているとは言えない。
そのため大部分の人は「弱者」をサポートするだけの余裕がない。政府がすすめる制度の改革は、現役世代はすべて「強者」に該当するという前提に立つものである。「強者」に括られている人の中には「弱者」としてサポートされるべき人も混じっている。そのため市場経済のバランスが崩れ、社会保障と社会福祉が立ち行かなくなっている。
結論
ここから私は、現在の市場経済の現実に合わせて、社会保障、社会福祉、政府の役割をいちど整理する必要があると考えた。それをしなければその国の経済論理を運用できなくなってしまう。
吟味
とくに私は、働く場の提供など経済的自立を支援するなど、金銭面の保障に依存しない社会福祉のあり方を追求するべきであると考える。(822文字)
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