設問
「英語以外の外国語を学ぶ意味」と題して800字以内で小論文を書きなさい。
議論の整理→日本の外国語学習
現在、日本のほぼすべての中学・高校では英語が学ばれ、大学でも英語を継続して学ぶことは当然となっている。
問題発見→現代で英語以外の言語を学ぶ意義は何か?
では世界中どこに行っても、英語で意思疎通ができているといえる現代において、英語以外の外国語を学ぶ意味はあるだろうか。
論証→外国語を学ぶことは「他者を知る」こと
たしかに、言語の学習の目的を「意思疎通」だとすれば、英語を学ぶことが一番効率的にみえる。多くの学生がすでに英語を何年間も学んできているため、それに加えて新しい言語を学ぶのは非効率的とも思える。しかし果たしてそうであろうか。
そもそも言語を学ぶ意義とは、その国の文化や歴史を学ぶことと同義である。文法や単語の成立背景からはその民族の移動や交流の影響を見てとることができるし、単語や慣用表現には宗教の影響も色濃く出てくる。このような外国語学習を通じて、その国を多様な面から知ることができ、同時に自分自身の価値観や考え方も変化することがある。つまり、言語を学ぶことは「他者を知る」ということではないだろうか。
解決策or結論→英語一辺倒の外国語教育は危険
このように考えると、外国語として英語のみを学ぶことは危険だといえる。なぜならば、現行の学習システムでは「外国語イコール英語」という認識が成立してしまうことで、他の言語の存在が軽視される可能性があるからだ。外国語には英語以外にも実に様々な言語があり、その言語を話す人間が存在し、歴史や文化があると知るのは非常に重要である。
解決策or結論の吟味→結論を吟味する
インターネットが普及し、情報が瞬時に世界中に伝わる現代では、極右政党が登場する国が増えるという現象が起きている。これは「他者の排除」の流れが広がっているといえると思うが、そのようなときにこそ、「他者を知る」姿勢が問われるのではないだろうか。他者の存在を知るツールの一つが、その国の言語を学ぶことであり、その点からも英語以外の言語を学習することは重要だと考える。(749字)
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