慶應SFC 総合政策学部 AO入試 志望理由書 提出例(鄭浩瀾研究会向け)

 議論の整理・・・中国農村部の様相は劇的に変化してきている。毛沢東時代に創り上げられた集団化政策は、1928年の解放後、非集団化して大成功を収めたといわれている。その後食糧生産は伸び悩み、農村内部の所得格差が生まれると膨大な人口が都市部に流出するという問題に直面した。そうした中で大規模な農業政策が施行され、状況は劇的に改善された。しかし、侯祺(2017)によれば、政府が強力に政策を推進させたことで一部の人が富裕化し平均を押し上げているにすぎず、むしろ所得格差は以前にもまして大きくなっている。中国政府が掲げる農業政策目標を達成するにあたっては、全体を底上げしていくことが重要であると考えられ、そのためには農業の改革に加え、それを担う農村そのものの改革が重要であると私は考える。

 

 問題の発見・・・農村の「共同体」に関する貴学の研究(※2)では、解放前の中国農村における共同関係の性格が検討されている。しかしこの研究では、地理的要素が考慮に入れられておらず、また基層レベルでの推進過程が解明されておらず、農村改革において有益な情報を提供しているとは言えない。

論証・・・確かに、中国に農村は無数に存在しているとともに、記録が残っておらず、情報収集が困難になることも考えられる。しかし、この分野に関する研究はこれまでに多く行われており、こうした研究を情報源とすることができる。

 また、政策の有効性を考えるうえでは、ミクロレベルでの検証は不要であると考えられるが、マクロ的視点のみに頼っていては、なぜその政策が有効であるかという議論につなげることができない。

したがって、農村の基層レベルでの検証が必要なのである・

 

 結果・・・そこで私は、できるだけ多くの地域の情報を集めるとともに、それぞれの農村がたどってきた変遷を分析することで、どのような項目が農村の変化に大きく寄与しているのかを明らかにしていきたいと考えている。

そのためにSFCに入り、鄭浩瀾准教授の研究室に所属したいと考えている。

 

 結果の吟味・・・SFCは実践知を重視しており、私の研究に必要なフィールドワークを行うことができる。また、この分野の第一人者である鄭浩瀾准教授の下で学ぶことは他の大学では実現できないことである。したがって私はSFCを志望している。

 

1侯祺(2017)「中国における『農民工』の歴史的変遷と農村の貧困調査」名城論叢 p89

2鄭浩瀾(2008) 「解放前の中国農村の共同性」『現代中国研究』第22号、20083

 

 

 

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