慶應SFC 総合政策学部 AO入試 志望理由書 提出例(新保史生研究会向け)

 議論の整理・・・ 

 総務省では,ライフログとは「パソコンや携帯端末などで取得・蓄積された活動記録(行動履歴)情報」と定義され,ウェブ訪問先やアクセス記録,電子商取引の決済履歴,位置情報の3点をあげている。広義には,個人の起床時間や睡眠時間,移動場所や移動距離,食事のデータ,読書経歴や音楽再生の記録なども含まれている。これら生活のデータは,健康管理や備忘録,ダイエットなど,自己管理全般に利用する場合もあるが,主たる目的無しに毎日の習慣をデジタル化する場合も多い。簡単にログ化できるように,サービスを提供しているサイトも存在する。ライフログサービスの多くはインターネット上のサイトに接続し,過去のデータを簡単に閲覧することや,グラフ化したり頻度を抽出したりすることなども可能である。このようにデジタルツールの普及によって,気軽に人生の記録ができるようになった今,いかに記録を活用するかが大きな課題となっている(*1)

 

 問題発見・・・ 

 ここで,ライフログを活用する際の課題について改めて考えてみたい。

 

 論証・・・ 

 ライフログは,一見すると特定の個人を識別できない文字列や符号からなるとみなされる傾向がある。しかし,その情報は特定の個人から取得した情報であることから,他の情報と照合することで特定個人の識別が可能な個人情報になり得る。ライフログの特徴は,個人の特定の行動に関する情報を詳細に含んでいる点にある。つまり,その情報内容の機微性や危険度を,当該情報そのものからは認識が困難であるところに,ライフログの取扱いに慎重さが求められる理由がある。特定個人を対象にした個別のサービスや行動ターゲティング広告を提供するにあたり,その利便性や効率性から,ライフログの利用には大きな効果が見込まれる。しかし,ライフログの取扱者は,目に見えない危険を「今そこにある危機」として認識し,法的・社会的・道義的責任を負うことを自覚した上で,ライフログの活用法を考案すべきである(*1)

 

 結論・・・ 

 そこで,プライバシー保護の問題等を十分に配慮したライフログ活用フレームワークを考案し,新規ビジネスにつなげる方法論について研究したいと考えている。

 

 結論の吟味・・・ 

 上述の研究を遂行するため,貴学SFCに入学し,ビッグデータの活用や情報セキュリティを専門に研究している新保史生教授の研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 新保史生.ライフログの定義と法的責任 個人の行動履歴を営利目的で利用することの妥当性,情報管理, Vol.53, No.6, pp.295-310, 2010

 

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