慶應SFC 環境情報学部 AO入試 志望理由書 提出例(白井裕子研究会向け)

■ 議論の整理・・・

世界の陸地の30%以上を占める豊かな森林は,適度な温度ときれいな空気,そして清浄で栄養たっぷりの水を貯え,川となって海に還元していた。しかし,人口が増え,宅地や農地として森林が開拓され,やがて木材や紙材など「木」を由来とする素材の需要が高まると,先進国がアマゾンや東南アジアの森林を次々と商業伐採したことで,異常気象や土砂災害などを引き起こし,環境問題となっている。そんな中,木材の大消費国である日本の森林資源は,統計上年々増え続けている。それは,森林荒廃や林業の衰退,国産の木材を活用する地場産業の解体が原因と言える(*1)

 

■ 問題発見・・・

では,なぜ国産の木材を使わずに国内木材消費量の8割を外国からの輸入に頼っているのか。

 

■ 論証・・・

かつての日本の伝統的木造住宅耐用年数は百年を超えるといわれる。木を組んで作られた住宅は,修理・増改築を考えた作りになっており,部材を取り替えれば寿命は更に延びる。更にバラされた木は,古材として新しい建築の材に再利用されることもある。また,伝統的木造住宅は,多くの木材を使用する。しかも,その耐久性を考えると,我が国の高温多湿な気候にあった木材が理想である。つまり国産材利用が基本となる。しかし,現在,このような伝統的木造住宅は,ほぼ建築不可能である。それは,現行の建築基準法が許さないからである。法改正されるごとに,更に建築が難しくなっているのが現状である。その為,現在の一般住宅は,至る所に接着剤が使われ,木同士が大きな金物で留められ,木の骨組みが大壁に隠されたような作りが多く,そこに使われる木材のほとんどが外材なのである(*1)

 

■ 結論・・・

そこで私は,我が国の貴重な資源である森や木を朽ちさせることなく有効活用して,伝統的な住宅やそれに付随する職人技や文化を継承するための方法を考案し広めたいと考えている。

 

■ 結論の吟味・・・

SFCでは,実践的で能動的なプロジェクトへの参加を主体としたカリキュラムを実践しており,上述の研究に最適な環境が整っている。また,貴学環境情報学部の白井裕子准教授は,森と水の環境システム分野や山林から木材・木造に至る分野などで研究実績があり,林業の技術開発などにも明るい。したがって,私はSFCに入学し白井裕子研究会に入会することを強く希望する。

 

 

 

(*1) 白井裕子.“森林の崩壊 国土をめぐる負の連鎖”,新潮社,2009

 

 

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