2015年度FIT入試第2次選考概要(B方式)
1.総合考査Ⅰの概要 •設問の内容:
総務省統計局の『国勢調査』による、「世帯数および1世帯あたり平均人員数の推移(1995年~2010年)」および「単独世帯(ひとり暮らしの世帯)に属する人が各年代の人口に占める割合(%)—1995年と2010年の男女別比較—」の図表を示し、これらの資料から読み取れる社会的変化を整理してまとめることを求めました。
- 解答の形式:A3原稿用紙形式・400字程度。
- 試験時間:45分
参考URL:https://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/sokuhou/04.html
2.総合考査Ⅱの概要 •設問の内容:
今年10歳になる姪っ子があなたに質問してきました。「民主主義のどこが望ましいの?」
彼女に理解できるように、400字程度で説明してあげてください。文体は必ずしも話し言葉にする必要はありません。
- 解答の形式:A3原稿用紙形式・400字程度。
- 試験時間:45分
≪総合考査Ⅰ 解答例≫
【議論の整理・問題発見】
「世帯数および1世帯あたり平均人員数の推移」によれば、世帯数は増加の一途をたどっており、1世帯あたりの平均人員数は減少の一途をたどっている。「単独世帯(ひとり暮らしの世帯)に属する人が各年代の人口に占める割合」によれば、単独世代の割合が多いのは、男性であれば25~29歳、女性は80~84歳、次いで20~24歳の割合が多い。男性高齢者は、一人世帯になる割合が女性高齢者の半分以下である点が特徴的といえる。
【結論・論証】
これらの変化は、一人世帯の担い手が一人暮らしを始めた大学生や結婚前の社会人である点に加えて、男女とも平均寿命が高齢化し、特に男性よりも女性の平均寿命が高齢化していることで、女性が一人世帯になる割合が高齢者層で増加しているためと考えられる。住環境を整えて核家族化が進んだ日本社会で拡大家族の割合を増やしていくなどして、社会保障費用の増加を抑制しつつ、高齢者の一人世帯への対策を打つことが必要だ。
≪総合考査Ⅱ 解答例≫
【議論の整理・問題発見・論証】
政治体制として民主主義がよい点は、「主権者である国民が、政治を自分達の手で望ましい姿に改善し続けることができる」点に尽きる。例えば独裁体制では、哲人政治家による独裁であれば良い政治になるが、独裁者の意向によっては全体主義となり、国民の権利が保障されなくなる。共和主義体制では、民主的プロセスが維持されている間はよいが、社会の上層部の少数意見によって政治の意思決定が行われ、寡頭政治となり、社会全体の意見を政治に反映させることが困難になる危険がある。共産主義体制であっても、一部のエリートの寡頭政治と、大多数の搾取される国民の2通りの社会階層ができるにすぎない。
【結論】
この点、民主主義体制は、主権者である国民の権利を社会全体の意見を反映させる形で保障することが可能だ。そのため、流動性の高い現代社会において、主権者である国民自身が意思決定することによって国民の権利保障が最も行いやすい政治体制であるといえる。
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