早稲田大学 帰国生入試 共通試験 小論文B 2018

文章を読んで設問に答えなさい。

問1 

「客観的に実在する存在としての『日本人』」について、筆者はどう考えているか。160字以上200字以内でまとめなさい。

5STEPsの議論の整理を、結論・根拠・具体例の形でまとめる。

筆者は、客観的に実在する存在としての「日本人」とは正体があいまいなものであると考えている。なぜなら我々の言う「日本人」とは「国籍が日本である」「日本民族の血を引いている」などの定義を使い分けた上ではじめて捉えられるものであるからである。つまり文脈の中で定義を満たすものを「日本人」と称しているにすぎず、実体としての「日本人」を認識しているわけではないということである。(184)

 

問2 

傍線部1について、自分の体験に即した例を用いて400字以上500字以内で説明しなさい。

5STEPsの議論の整理でまとめる。

筆者は「先に存在している現実を、後から認識して判断している」のではなく、「認識のほうが先にあって、それに合わせて現実を作り上げて生きている」と述べている。
私は小学生の頃、「水はどうして100℃ぴったりで沸騰するのだろう」と不思議に思っていた。実際は「水の沸点を100分割したものを1℃とする」という定義があるからそうなるだが、このときは定義を知らず「単位」という共通認識を万能のものとして現実にあてはめていた。
現実として物質に何らかの熱量が存在するとしても、実在する熱量そのものが絶対的な値をもっている訳ではない。つまりここで、筆者が言うところの「先に存在している現実を、後から認識して判断する」ことは不可能である。「人間が現実を認識する」ためには、その人間がもつ「ある基準」と比較して現実の評価を行うというプロセスを経る必要がある。物質の温度という例で言えばその「ある基準」の一つが「水の沸点」であり、その定義をもってあらゆる現実は評価されている。これが筆者が言うところの「認識のほうが先にあって、それに合わせて現実を作り上げて生きている」という状態であるといえる。(484)

AO入試・小論文に関するご相談・10日間無料添削はこちらから

「AO入試、どうしたらいいか分からない……」「小論文、添削してくれる人がいない……」という方は、こちらからご相談ください。
(毎日学習会の代表林が相談対応させていただきます!)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です