慶應義塾大学 文学部 自主応募入試 志望理由書 提出例(佐藤孝雄ゼミ向け)

議論の整理・・・貴学の論文(※1)では、アイヌにおけるフクロウ類の呼称の地域差についてとりあげている。フクロウ類がエコシステムの一環を成すことであったことも言及されている。ここでいうエコシステムとは、自然を開発するという態度ではなく、自然と共生するという態度である。

問題発見・・・しかし、アイヌとシャチの関係についての論文は少ない。わずかに論文※2が見られるだけである。

論証・・・中沢新一「熊から王へ」では、シャチは海洋生物において突出した力を持っていて、それゆえエコシステムを壊しかねない危険な存在として、神話に語られてきたことが論じられている。世界中の人々にとって、エコシステムの中で生きることが大事なのであって、自然を開発するという態度は西洋に特殊な態度である。実際、アイヌはクジラ類を捕獲する際突棒で行っていて、これは自然と共生するための捕獲方法である。だから、アイヌがシャチに特別な敬意を抱いていたと考えるのは自然なことである。

結論・・・そこで私は、アイヌ神話におけるシャチに関して研究したい。

※1佐藤孝雄(2017)「北海道アイヌにおけるフクロウ類の呼称に関する研究: 聴き取り調査資料を中心的題材として」
※2大喜多紀明(2016)「アイヌ口承テキストに見られる裏返し構造―異郷訪問譚によらない事例―」

 

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