早稲田大学 スポーツ科学部 2014年 小論文 過去問解説

これは、5STEPを使って解くべき問題。

議論の整理→ グラフから読み取れるスポーツ実施者が増えている要因

問題発見→ ウォーキングや散歩、エクササイズ種目が増加しているのに、競技種目に変化がない

論証→ 競技種目に高齢者を取り込めていない

解決策or結論→    スポーツ施設の充実を図り、高齢者に競技種目を普及する

解決策or結論の吟味→ そもそも高齢者の競技種目の乏しいので開発していくべき

■ 答案例

議論の整理→ グラフから読み取れるスポーツ実施者が増えている要因

何らかのスポーツ種目を実施している人は1996年では36.7%にとどまっていたが、2010年では56.3%であり、スポーツを定期的に実施している人の数は増加傾向にあるといえる。また、ここ14年間でスポーツ実施者が増加した要因としては、ウォーキングや散歩を実施する人が13.6%から35.7%に大幅に増えたことが挙げられる。また,エクササイズ種目も19.4%から26.9%に増え、増加傾向に影響していることが窺える。しかし、競技種目については7.2%から8.0%の微増で、ほとんど変化していない。

問題発見→ウォーキングや散歩、エクササイズ種目が増加しているのに、競技種目に変化がない

ここでの問題となるのは、なぜウォーキングや散歩、エクササイズ種目が増加しているのに対して、競技種目には変化がないのだろうかということである。

論証→ 競技種目に高齢者を取り込めていない

その理由の一つとして考えられるのは、高齢化および高齢者の健康意識向上による影響である。健康日本21ではロコモティブシンドロームの予防が叫ばれ、地方自治体を中心に高齢者を対象とした運動習慣の啓発活動が盛んにおこなわれている。こうした活動によって、高齢者の健康意識の高まり、ウォーキングや散歩など日々の健康増進的活動に取り入れやすいスポーツを実施する人が増えたと考えられる。一方、競技種目は、施設を借りる、施設に出向く、道具を揃えるなど手軽に実施しやすいスポーツとは言えず、スポーツ実施者の増加には影響しなかったと考えられる。

解決策or結論→ スポーツ施設の充実を図り、高齢者に競技種目を普及する

しかし、競技種目は人と人との相互作用の中で行われるため、所属意識を高め、社会性を維持するという個人競技にはない良さがある。そのため、いかに高齢者に地域のスポーツ施設を利用してもらい、高齢者でも手軽に行える競技種目を普及していくかということは、今後の日本のスポーツ振興における課題であると考える。この課題を解決するためには、まず既存のスポーツ施設が高齢者にとって、より魅力的な場所になることが重要である。つまり、喫茶スペースや休憩室などを併設し、単なるスポーツの場ではなく、地域の交流の場としての機能も果たす必要がある。さらに、スポーツ大会等のイベントの企画や、用具を貸し出しなど、気軽に競技を始めやすい環境整備も有効であると考える。

解決策or結論の吟味→そもそも高齢者の競技種目の乏しいので開発していくべき

高齢者世代は、余暇活動の一環としてスポーツに取り組みやすい世代ではある。しかし、高齢者向けの競技種目といえば、ゲートボールに社交ダンスくらいで、選択肢は極めて少ない。高齢者が取り組みたいと思う競技スポーツを開発し、普及していく必要があるだろう。

 

何らかのスポーツ種目を実施している人は1996年では36.7%にとどまっていたが、2010年では56.3%であり、スポーツを定期的に実施している人の数は増加傾向にあるといえる。また、ここ14年間でスポーツ実施者が増加した要因としては、ウォーキングや散歩を実施する人が13.6%から35.7%に大幅に増えたことが挙げられる。また,エクササイズ種目も19.4%から26.9%に増え、増加傾向に影響していることが窺える。しかし、競技種目については7.2%から8.0%の微増で、ほとんど変化していない。

ここでの問題となるのは、なぜウォーキングや散歩、エクササイズ種目が増加しているのに対して、競技種目には変化がないのだろうかということである。その理由の一つとして考えられるのは、高齢化および高齢者の健康意識向上による影響である。健康日本21ではロコモティブシンドロームの予防が叫ばれ、地方自治体を中心に高齢者を対象とした運動習慣の啓発活動が盛んにおこなわれている。こうした活動によって、高齢者の健康意識の高まり、ウォーキングや散歩など日々の健康増進的活動に取り入れやすいスポーツを実施する人が増えたと考えられる。一方、競技種目は、施設を借りる、施設に出向く、道具を揃えるなど手軽に実施しやすいスポーツとは言えず、スポーツ実施者の増加には影響しなかったと考えられる。しかし、競技種目は人と人との相互作用の中で行われるため、所属意識を高め、社会性を維持するという個人競技にはない良さがある。そのため、いかに高齢者に地域のスポーツ施設を利用してもらい、高齢者でも手軽に行える競技スポーツを普及していくかということは、今後の日本のスポーツ振興における課題であると考える。この課題を解決するためには、まず既存のスポーツ施設が高齢者にとって、より魅力的な場所になることが重要である。つまり、喫茶スペースや休憩室などを併設し、単なるスポーツの場ではなく、地域の交流の場としての機能も果たす必要がある。さらに、スポーツ大会等のイベントの企画や、用具を貸し出しなど、気軽に競技を始めやすい環境整備も有効であると考える。

高齢者世代は、余暇活動の一環としてスポーツに取り組みやすい世代ではある。しかし、高齢者向けの競技種目といえば、ゲートボールに社交ダンスくらいで、選択肢は極めて少ない。高齢者が取り組みたいと思う競技スポーツを開発し、普及していく必要があるだろう。(989文字)

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