早稲田大学 スポーツ科学部 2002年 小論文 過去問解説

【vbw02120 】

設問

これは、5STEPを使って解くべき問題。また文字数が800字から1000字であり、入れ子構造にして、複数の問題点を見つける必要がある。

議論の整理→ グラフから読み取れるアンケート調査の結果について
問題発見→ アンケート調査が被験者内計画か、被験者間計画か不明
論証①→ 被験者内計画と仮定した場合の問題点
解決策or結論①→ 分布に応じた結果の読み取りと、予備実験の必要性
論証②→被験者間計画と仮定した場合の問題点
解決策or結論②→対象者全体の人数と分布を明らかにする必要がある
解決策or結論の吟味→ 結果を裏付けるためには統計的手法を利用する必要がある

■答案例

議論の整理→ グラフから読み取れるアンケート調査の結果について

このアンケートの結果からは、主婦、高額所得者、子どものいずれの対象集団でも、おいしいと答えた人の豆の重さの平均値がいずれも5g前後を指していることが読み取れる。

問題発見→ アンケート調査が被験者内計画か、被験者間計画か不明

しかし、このアンケートは調査手法およびその記述方法に関して複数の問題があるが、まず、調査の手法が、被験者内計画なのか、被験者間計画なのか不明である。つまり、このアンケートからは、100人の同一人物に複数回別の重さの豆を食べさせ、各豆に対して美味しいと答えた人の人数をグラフにしたのか、あるいは重複しない対象者に実施したのか不明である。

論証①→ 被験者内計画と仮定した場合の問題点

仮に被験者内計画であると考えた場合、調査結果の見方に問題がある。つまり、主婦の場合はグラフが正規分布しているので、平均値である5gの豆が一番おいしいということになる。しかし、高額所得者については、グラフの分布が右側に偏っており、正規分布していないため平均値である5gをおいしいと結論づけるのは誤りである。子どもに至っては、グラフが平坦であり、各豆の重さによる味の違いの判別がついていないことがグラフから読み取れる。

解決策or結論①→ 分布に応じた結果の読み取りと、予備実験の必要性

以上のことから、高額所得者がおいしいと感じる豆の重さは、平均値ではなく、中間値を参考にすると良いだろう。また、子どもだけではなく、主婦および高額所得者すべてにおいて、豆の重さによる味の違いをどの程度判別できるのかという予備実験が必要である。

論証②→被験者間計画と仮定した場合の問題点

また、このアンケートが被験者間計画だと仮定すると、その調査項目に問題がある。具体的に言えば、各豆の重さに対応して、おいしいと答えた人数は記されているが、反対においしくないと答えた人数、あるいは全対象者の数は記述されていない。仮に主婦層において、5gの豆を100人の人がおいしいと答えたとしても、おいしくないと答えた人が1000人いたとしたら、5gの豆はおいしいとは言えない。反対に、10gの豆はおいしいと思った人が20人くらいだが、おいしくないと答えた人が1人もいなければ、おいしい豆ということになる。

解決策or結論②→対象者全体の人数と分布を明らかにする必要がある

このアンケートでは、おいしくないと答えた人、あるいは全対象者の数の分布が明らかにする必要がある。

解決策or結論の吟味→ 結果を裏付けるためには統計的手法を利用する必要がある

これまで述べてきた、調査の問題点はグラフを読み取る際に最低限わかっていた方が良いことだが、どの重さの豆が最もおいしいかという結論を導くためには、統計的な手法も併せて検討すべきと考えられる。

 

このアンケートの結果からは、主婦、高額所得者、子どものいずれの対象集団でも、おいしいと答えた人の豆の重さの平均値がいずれも5g前後を指していることが読み取れる。しかし、このアンケートは調査手法およびその記述方法に関して複数の問題があるが、まず、調査の手法が、被験者内計画なのか、被験者間計画なのか不明である。つまり、このアンケートからは、100人の同一人物に複数回別の重さの豆を食べさせ、各豆に対して美味しいと答えた人の人数をグラフにしたのか、あるいは重複しない対象者に実施したのか不明である。

仮に被験者内計画であると考えた場合、調査結果の見方に問題がある。つまり、主婦の場合はグラフが正規分布しているので、平均値である5gの豆が一番おいしいということになる。しかし、高額所得者については、グラフの分布が右側に偏っており、正規分布していないため平均値である5gをおいしいと結論づけるのは誤りである。子どもに至っては、グラフが平坦であり、各豆の重さによる味の違いの判別がついていないことがグラフから読み取れる。以上のことから、高額所得者がおいしいと感じる豆の重さは、平均値ではなく、中間値を参考にすると良いだろう。また、子どもだけではなく、主婦および高額所得者すべてにおいて、豆の重さによる味の違いをどの程度判別できるのかという予備実験が必要である。

また、このアンケートが被験者間計画だと仮定すると、その調査項目に問題がある。具体的に言えば、各豆の重さに対応して、おいしいと答えた人数は記されているが、反対においしくないと答えた人数、あるいは全対象者の数は記述されていない。仮に主婦層において、5gの豆を100人の人がおいしいと答えたとしても、おいしくないと答えた人が1000人いたとしたら、5gの豆はおいしいとは言えない。反対に、10gの豆はおいしいと思った人が20人くらいだが、おいしくないと答えた人が1人もいなければ、おいしい豆ということになる。このアンケートでは、おいしくないと答えた人、あるいは全対象者の数の分布が明らかにする必要がある。

これまで述べてきた、調査の問題点はグラフを読み取る際に最低限わかっていた方が良いことだが、どの重さの豆が最もおいしいかという結論を導くためには、統計的な手法も併せて検討すべきと考えられる。(960文字)

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