青山学院大学 地球社会共生学部 2017年 小論文 解答例

(v9f172001m0)

■設問

Ⅰ(1)日本語か英語による要約問題。ここでは日本語で述べる。「議論の整理」の応用の「わかりにくい言葉の言い換え」「共通の前提」を用いて解くと良い。

 

Ⅰ(2)

これは、5STEPを使って解くべき問題。

1.       議論の整理→労働力不足と移民の受け入れについて

2.       問題発見→安い労働力の確保のために移民を受け入れる危険性

3.       論証→現在の制度では日本文化になじまず、経済的自立が困難

4.       解決策or結論→移民受け入れの前に社会保障の改革を行うべき

5.       解決策or結論の吟味→魅力的な労働条件は高度な労働者の招致につながる

 

■解答

Ⅰ(1)

Aの文書では、我が国における少子化に伴う労働人口の減少の問題について述べられている。他国においては、移民政策によって、外国人労働者を獲得する政策がとられているが、我が国においては、専門的・技術的分野に高度な能力を有している人材の受け入れに限定しており、彼らを積極的・継続的に受け入れるような制度上の修正が求められている。しかし、すでにサービス業を含む産業分野においては、労働力不足に直面しており、対象となる技能の拡大を含め、外国人労働者の受け入れを勧める必要があると述べられている。

Bの文章では、年々我が国の難民の受け入れ申請数は増加傾向にあるが、申請に対する許可率は2014年時点で、0.2%と諸外国に比べても極めて低く、国連からも制度が厳しすぎるのではないかと指摘されていることについて述べられている。この問題の背景には、永住権に関する制度上の問題も存在するが、移民への文化的な嫌悪や、難民が経済的に自立することが難しく永遠に公費で養わなければならないといった社会的な障害が存在していると指摘されている。(451文字)

Ⅰ(2)

1.       議論の整理→労働力不足と移民の受け入れについて

少子化による日本人労働力不足を補うために外国人労働者の受け入れに関心が高まっていることと、国際的な要請に従って我が国も移民の受け入れに協力していくことが求められている現状が述べられている。

2.       問題発見→安い労働力の確保のために移民を受け入れる危険性

ここで、目先の労働力を安く確保するために、移民を受け入れることの危険性について取り上げたい。

3.   論証→現在の制度では日本文化になじまず、経済的自立が困難

指摘されているように、単一民族意識の高い我が国には、移民に対する様々な形での文化的嫌悪など社会的障壁が存在する。その一つが言語の問題である。日本語でのやりとりが充分にできない外国人が流入すれば、話せない外国人の集落が作られ、治安維持が困難となるだろう。また、住民との衝突が生じやすいとも考えられる。さらに、移民の経済的自立が困難である点について懸念されているように、現在の我が国の社会保障の在り方のまま移民の受け入れだけ行えば、低賃金で労働したいと思う移民よりも、はるかに多くの移民が社会保障の恩恵を受けることを目的として流入してくることが予想される。なぜならば、国の経済的格差を埋める社会保障やセーフネットの在り方が、生活保護に代表されるように、政府に依存しているからである。

4.       解決策or結論→移民受け入れの前に社会保障の改革を行うべき

以上を踏まえて、私の移民政策の考えは、緩和制度により移民の受け入れを拡大する前に、まず社会保障の改革を行うべきである。つまり、労働力が不足しているのを海外労働者を低賃金で雇用して埋めようとすべきではなく、最低賃金の値上げをすることで労働力を得ようとする努力をすべきである。

5.       解決策or結論の吟味→魅力的な労働条件は高度な労働者の招致につながる

さらに、魅力的な労働条件には、質の高い外国人労働者の招致につながることが予想される。また、特別な技能を身に着けていることを要件にするよりも、高度な日本語の訓練を受けていることを条件とすべきである。日本語でのやりとりが可能ならば、ある程度日本人の集団の中でも生活することが可能であり、文化になじめるのではないかと考える。

 

 

少子化による日本人労働力不足を補うために外国人労働者の受け入れに関心が高まっていることと、国際的な要請に従って我が国も移民の受け入れに協力していくことが求められている現状が述べられている。

ここで、目先の労働力を安く確保するために、移民を受け入れることの危険性について取り上げたい。指摘されているように、単一民族意識の高い我が国には、移民に対する様々な形での文化的嫌悪など社会的障壁が存在する。その一つが言語の問題である。日本語でのやりとりが充分にできない外国人が流入すれば、話せない外国人の集落が作られ、治安維持が困難となるだろう。また、住民との衝突が生じやすいとも考えられる。さらに、移民の経済的自立が困難である点について懸念されているように、現在の我が国の社会保障の在り方のまま移民の受け入れだけ行えば、低賃金で労働したいと思う移民よりも、はるかに多くの移民が社会保障の恩恵を受けることを目的として流入してくることが予想される。なぜならば、国の経済的格差を埋める社会保障やセーフネットの在り方が、生活保護に代表されるように、政府に依存しているからである。

以上を踏まえて、私の移民政策の考えは、緩和制度により移民の受け入れを拡大する前に、まず社会保障の改革を行うべきである。つまり、労働力が不足しているのを海外労働者を低賃金で雇用して埋めようとすべきではなく、最低賃金の値上げをすることで労働力を得ようとする努力をすべきである。さらに、魅力的な労働条件には、質の高い外国人労働者の招致につながることが予想される。また、特別な技能を身に着けていることを要件にするよりも、高度な日本語の訓練を受けていることを条件とすべきである。日本語でのやりとりが可能ならば、ある程度日本人の集団の中でも生活することが可能であり、文化になじめるのではないかと考える。(774文字)

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