早稲田大学 スポーツ科学部 AO入試 志望理由書 提出例(坂本静男研究室向け)

  • 議論の整理

臨床においては、肥満症対策として運動処方が施されることが多い。肥満の予防や改善に有効な運動条件については運動強度や継続時間などが検討されているが、運動を行う時間帯に注目した研究は少ない。この分野では、安藤らは脂質代謝がサーカーディアンリズムを司るSCNによる制御を受けていることに着目し、朝と夕の一過性中強度運動が脂質酸化量に及ぼす影響をマウスとヒトで調査している。肥満症対策としての運動条件設定に、このような時間運動学の知見を加えることは重要である。

  • 問題発見

生体の健康維持に必須の食事や睡眠、運動などの機能は、体内時計と相互に作用しあっていることが知られている。運動という光を伴わない外的同調因子が体内時計の位相を変えるメカニズムについては、ストレスになどによる影響が考えられているが、その詳細についてはわかっていない。朝と夕の時間帯に長期的な運動をつづけた場合に、体内時計にどのような影響が生じ、それが脂質代謝にどう影響するかを分析できないだろうか。

  • 論証

具体的には、マウスを使った実験を行うことを考えている。群ごとに特定の時間帯に中強度の運動を継続的に行わせ、そのVO2peakや脂質代謝量の長期的な変化を検討したい。また、時計遺伝子に異常が生じたマウスとの対照実験も行うことにも興味がある。

  • 結論

この研究は、少子高齢社会を迎える日本において国民の健康維持増進に貢献できる可能性を秘めており、私はその点にやりがいを感じている。また、比較的新しい分野である時間運動学の発展に寄与できるという点にも価値があると考える。

  • 結論の吟味

上記の研究を行うにあたって、スポーツ医学の観点から健康管理における運動の重要性を解明してきた坂本教授のもとで学ぶことを強く希望する。また貴学での研究を通して、人間性の涵養にも努めたい。

参考文献

安藤加里菜、小西真幸、柴田重信、坂本静男(2014))「高脂肪食負荷下における朝や夕の自発的慢性運動がマウス体重増加抑制に与える影響」『日本臨床生理学会誌』, 44(3), 149-155

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