早稲田大学 スポーツ科学部 AO入試 志望理由書 提出例(礒繁雄研究室向け)

  • 議論の整理

小学生の頃の私は運動会の徒競走が苦手だった。その理由は記録を伸ばすための努力の方法が分からなかったからである。結局のところ足の速さは生まれ持った才能であると結論付けた私の認識を変えたのはコーチング科学だった。バイオメカニクスの観点から運動時の身体にかかる力学的データを収集し分析することで、パフォーマンス向上の因果関係を数量的に記述するというのがこの研究分野の特徴であり、それは「センス」に頼らない客観的な指導を可能にする。

  • 問題発見

例えば短距離走では、トップスプリンターの動作と床反力の大きさの相関を定量的に測定することにより、一連の動作における代表的な筋出力が筋腱の伸長-短縮サイクルによる運動連鎖であるということが解明された。※)この現象は脚の中で起こるため、動作の変化が少なく見過ごされてきたが、科学的な分析によりその重要性が明らかになったのである。しかしながら、実験室で得られた知見を実際のパフォーマンス時に反映させることは難しい。科学的データをフィールドで応用するための指導方法に関しては、未だ十分な研究がなされていないのではないか。

  • 論証

身体運動は本人の感覚に頼っている部分が多い。そして、バイオメカニクスによる分析結果と実際の運動時の感覚にはしばしばズレが生じる。この問題を解決する為に、私はアスリートの動作を撮影することで、視覚的に力伝達の流れを伝えることのできる方法を学びたいと考えている。

  • 結論

一流選手の掴んでいる「コツ」を客観的に言語化することで、誰にとっても明瞭な指導方法が確立できるだろう。特にそれを小学教育の場で実践することで、子どもたちの運動への意識をポジティブなものに変えることができると考えている。これは国内のスポーツ人口を増加させる上で意義深い。また、自らが導いた指導方法に説得力を持たせるためには、アスリートとの信頼関係の構築ももちろん不可欠である。そのような優秀なコーチとしての指導技術も学びたい。

  • 結論の吟味

上記の研究を行う為に、わが国において数々のトップアスリートを導いてきた実績を持つ礒教授のゼミで学ぶことを強く希望する。

参考文献

礒繁雄(2000).「短距離走動作の仮説による指導法に関する研究」『スポーツ科学・健康科学研究』, 3, 25-31.

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