- 議論の整理・・・
刑法が民衆の行為に対して一定の規範を敷くものであるとするならば、それらの上での犯罪行為は刑法上の行為規範に対する違反であると言える。その性質上刑法違反は行為の上での違反であり、ある特定の行為の中にその問責対象を取ると考えることが可能である。勿論、行為における結果によってその行為が犯罪であるかを判断することは可能ではあるが、その際にも、その結果を導き出した行為があるという点に目を瞑ることはできない。
- 問題発見・・・
では、刑法における行為規範について特定の行為がその規範に違反しているかどうかはどのように分析することができるだろうか。
- 論証・・・
私はこれらの問題を解決するためには、刑法に対する理解を前提とし、ある特定の行為が犯罪であると意味づけられる際、刑法において、どの様な行為規範に反するのかを考察することが重要であると考える。たとえば、刑事法学の専門家である仲道祐樹教授は事象の中から問責対象行為を特定するためには、行為の持つ意味を把握しなければならない。そして、そのための基準を社会的外界の作用のみに求めることはできず、行為者がその行為に与えた意味が重要となる。しかし、行為の意味は多層性を持つものであるから、観察者の関心により一定の抽象化が必要となる。観察者の関心が、ある出来事が犯罪であるかという点に存在するとすれば、刑法の観点からの抽象化は許容されることになる。と発表している。[1]
- 結論・・・
そこで、刑法における行為について、行為の意味を専門的に研究するため、刑事法学について専門的知識に富む貴学社会科学部の仲道祐樹教授の下で、上述の問題点を整理するべく刑法の示す行為規範について研究を深めたいと考えている。
貴学社会科学部の仲道祐樹研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学社会科学部に入学し仲道祐樹研究会に入会することを強く希望する。
[1]仲道祐樹著『複数行為による結果惹起における問責対象行為の特定』(早稲田大学法学会2009-03-25)
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