- 議論の整理・・・
私たちは生活するうえで、財やサービスの「生産→分配→消費→廃棄」というプロセスを経る。そして、この行為は、今日では多種多様な社会関係と密接に関係しているだけでなく、同時に多種多様な経済思想に基づいている。
経済思想は、家族・民族・国家が人間の衣食住の問題をどのように解決してきたかという歴史であり、かつては倫理的・哲学的な表現をなされることが多く、思想として独立した形をとることはなかった。しかし、近代資本主義社会形成以後、経済思想が政治思想・社会思想・教育思想の土台として成立したとされている。
- 問題発見・・・
では、日本の経済思想にはどのような特徴があり、社会の変容により、どのような歴史的変化を遂げたのだろうか。
- 論証・・・
私は、これらの問いに答えるには、日本の経済思想に関する正確かつ緻密な理解を前提として、様々な史料・資料を参照することが重要だと考える。例えば、日本経済思想史を専門に研究する川口浩教授は、日本人の社会経済的行動の基盤をなしている日本の経済思想の歴史的特質を明らかにすることを目的とし、考察対象の「時間」と「空間」に大きな幅を持たせるという方法を採り(分析対象の「時間」は古代から近代に及び、「空間」も日中欧米にまたがる)、多様な人物を考察の対象とした国際共同研究を行ったうえで、書籍として発表している[1]。
- 結論・・・
そこで、経済思想史における三浦梅園、日本橋の町年寄と町人、江戸時代の「自由」の語義について、江戸時代の「経済思想空間」などを専門的に研究し、日本経済思想史や日本経済史の専門家として名高い貴学政治経済学部の川口浩教授に師事し、上述の問題点を整理するべく日本の経済思想の歴史的発展について研究を深めたいと考えている。
貴学政治経済学部の川口浩研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学政治経済学部に入学し川口浩研究会に入会することを強く希望する。
[1] 川口浩編著『日本の経済思想 ― 時間と空間の中で』(ぺりかん社、2016年)。
コメントを残す