- 議論の整理・・・
長年の不況により、日本経済はその赤字に悩まされ続けている。その結果、国の政策決定にも厳しい制約が課せられる様になり、予算編成を官僚主導型から、政治主導型に変更しようとする動きがみられることとなった。そこで問題となるのは政治主導の予算編成によって、それらの利益を享受する利益集団との癒着などの政治的モラルハザードである。それらを防ぐためには、政治が、特定の利益集団との癒着をさせないための機能の構築である。
- 問題発見・・・
では、会計監査システムについて政治的モラルハザードからどのように分析することができるだろうか。
- 論証・・・
私はこれらの問題を解決するためには、行政学に対する知識を前提とし、それらの限界を再確認し、不適切な支出を防ぐためのシステムを構築することが重要であると考える。
たとえば、政治経済学の専門家である小西秀樹教授は
経済性・効率性や有効性の検査は正確性や合規性の検査ほど定量的に予算の無駄遣いを指摘できない。たとえば前者の基準で検査を行う場合にしばしば導入を提唱される費用便益分析は,部分均衡分析であるため大規模プロジェクトには適用可能でない,便益および費用の測定に恣意的な要素が入り込みやすいといった欠点があり,実用可能性に乏しいのが現状である。検査結果が定量的には必ずしも明確でないという点からすると,経済性・効率性検査や有効性検査は,不正あるいは不適切な支出を指摘し改善を要求する従来型の不正摘発機能よりも,むしろ検査対象となった事業や機関を取り巻く社会経済的状況について国民に情報を提供するという情報提供機能に重点を置いた会計検査であるといえるだろう。と発表している。[1]
- 結論・・・
そこで、会計システムにおける政治的モラルハザードの防止について、システム構築を専門的に研究するため、政治経済学について専門的知識に富む貴学政治経済学部の小西秀樹教授の下で、上述の問題点を整理するべく会計検査の意義について研究を深めたいと考えている。
貴学政治経済学部の小西秀樹研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学政治経済学部に入学し小西秀樹研究会に入会することを強く希望する。
[1]小西秀樹著『会計検査とフィードバック効果』(会計検査院1999-09)
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