- 議論の整理・・・
政治は経済に影響を与えるというのは、つまりは経済が消費する側の価値観によって市場での優位性を決定付けられるという点と政治が国民の価値観によってその意思決定がなされるという点の相関性に着目した一般論である。市場システムの理想論を述べるに当たって、現在の市場システムがどの様な価値観の下に生み出されたものかを探り、その上で現在の市場システムについて分析するという道は避けては通れない。
- 問題発見・・・
では、市場システムについて政治的意思決定からどのように分析することができるだろうか。
- 論証・・・
私はこれらの問題を解決するためには、国民の価値観に対する理解を前提とし、それによってもたらされている政治的意思決定がどの様に市場に影響しているのかを考察することが重要であると考える。
たとえば、厚生経済学、社会的選択理論の専門家である須賀晃一教授は、社会的正義、公正、公共性、自由、効率、衡平性などの社会規範に関する価値理念について
第1の基準は、価値理念の情報的基礎である。
第2の基準は、道徳原理を適用する対象である。
第3の基準は、道徳原理または価値理念の実行可能性である。[1]と価値理念を3つの基準に分類し、
私的財交換の場である市場は、それを取り巻くさまざまな公共財とともに市場システムを形成する。あるいはもっと積極的に、市場システム自体が公共財であるといってよい。市場システムという公共財を提供する目的は、市場参加者の生活の便を図るという個人的善に資するだけでなく、必要なものが必要なところに効率的に配分されることによって社会の安寧という公共善を強化することでもある。と市場システムを考察している。[1]
- 結論・・・
そこで、政治における市場システムについて、構造としての市場システムを専門的に研究するため、厚生経済学、社会的選択理論について専門的知識に富む貴学政治経済学部の須賀晃一教授の下で、上述の問題点を整理するべく経済学における政治的意思決定の介入について研究を深めたいと考えている。
貴学政治経済学部の須賀晃一研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学政治経済学部に入学し須賀晃一研究会に入会することを強く希望する。
[1]須賀晃一著『開かれた政治経済システムの新しい社会規範の構築 -時間と空間のガバナンス-』(早稲田大学21COE-GLOPE事務局 2008-03-07)
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