- 議論の整理・・・
国家という枠組みについての議論が行われる際、ナショナリズムという理念についての定義付けを避けては通れない。ナショナリズムは、必ずしも、その主軸に愛国主義を置くわけではない。これらの概念が完全に切り離されて議論される可能性があるかに関しては、それぞれの国家がどの様な理念の下に成立しているかを整理する必要がある。ナショナリズムという概念に実体がない以上その観念的なものに対してどこまでの範疇を許容するかという決断を下すことは困難を極めるが、どの様な概念があるか分析することによってその道は開かれる。
- 問題発見・・・
では、ナショナリズムに関してどのように分析することができるだろうか。
- 論証・・・
私はこれらの問題を解決するためには、思想としてのナショナリズムに対する理解を前提とし、それぞれの国のイデオロギーと政治情勢などを分析し、その国々ではナショナリズムがどの様に成立してきたかを整理することが重要であると考える。
たとえば、中国現代思想史の専門家である齊藤泰治教授は中国におけるナショナリズムの成立に関して、
近代におけるナショナリズムの発生が外来の力に対する反応であったように、現在におけるナショナリズムもまた中国が外来の圧力とみなす力に対する反応から発生しているということであると発表している。[1]
- 結論・・・
そこで、様々な国におけるイデオロギーや政治情勢について、その下で育まれてきたナショナリズムを専門的に研究するため、中国現代思想史について専門的知識に富む貴学政治経済学部の齊藤泰治教授の下で、上述の問題点を整理するべく現代思想史について研究を深めたいと考えている。
貴学政治経済学部の齊藤泰治研究会が上述の研究を進めるのに最適な研究環境との確信のもと、貴学政治経済学部に入学し齊藤泰治研究会に入会することを強く希望する。
[1]齊藤泰治著『1990年代後半から現在までの中国におけるナショナリズムをめぐって』(早稲田大学政治経済学部教養諸学研究会2005-04-27)
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