早稲田大学 教育学部 外国学生入試 志望理由書 提出例(ペート・バックハウスゼミ向け)

■議論の整理

国際的な社会になって、一つの都市に多くの言語が飛び交うようになった。経済的な原理であるグローバリゼーションが、一種の経済的ボーダーを越境して久しいが、言語もまた一つの場所で複数の言語が使用されるようになっている。

 

■問題発見

水村美苗が『日本語が亡びるとき』で示したように、日本語はグローバリズムの中で衰退しているようにも見えるし、残っているようにも見える。それは今後の展開次第では分からないものの、東京の景観だけ見れば、山手線28駅周辺で、日本語外の言語を含む標示は、全体の19.6%を占めている。これだけ見れば日本語が外国語に浸食されていると結論付けることができるかもしれない。

 

■論証

特に多言語表示の地域的普及を見ると、特に可視性が高い地域として、巣鴨、メジロ、新大久保が挙げられる。これらの地域は、中国や韓国の商業地域として栄えている場所であり、経済原理が言語環境を制圧している例として見て取ることができる。しかし一方で、子細に眺めてみると、その中に、本当に中国人向けの表示であるものが大半を占めるかと言うと、事態は単純ではない。

 

■結論

それぞれの言語表示に含まれるものが、ネイティブ向けのものであるものももちろんだが、日本人向けの内容である場合も同様に多いからだ。日本人を対象とした装飾もくしは象徴してしてのロゴは、結果として58.6%をも占める。これらが意味することは、日本語が亡びているが、多言語が侵食しているのは、あくまでも日本人向けの経済原理だという事実である※1。

 

■結論の吟味

言語環境を考えることは、話されているコミュニケーションとしての言語だけを考えることではない。一方でオブジェクトとしての言語を、経済がどのように利用し、利益を生み出しているかと言う、ある種の言語マーケティングの理論である。この視点を抜きにして、言語のグローバリゼーション、もしくは国際化を語ることができないだろう。以上のような観点で、言語と都市についての考察を深めてみたいと考え、貴学への入学を希望する。

 

※1ペート・バックハウス「東京の言語景観:多言語表示の実態調査報告」「報告要旨 第20回研究大会ワークショップ 日本社会の多言語化と多言語景観のとあえかた」『社会言語科学』11(1) 2008

 

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