早稲田大学 教育学部 外国学生入試 志望理由書 提出例(坂内夏子ゼミ向け)

■議論の整理

絵本美術館の設立が期待されている。各所で絵本文化を紹介する展覧会が実施されたり、原画展を開催する美術館が増えてきているが、絵本を一種の芸術作品だとみなして、絵本文化を継承し、発展させていく絵本美術館を官民一体となって行っていくべきだ※1と、私も考えている。

 

■問題発見

絵本は、子どもがまず読む本だ。そこには豊饒な物語があり、視覚的な要素が心の発達を促す。絵本作家は、専門度が高い芸術家だととらえるべきだ。ストーリーを考え、その枠に有った絵を描き、言葉をならべる。一種漫画家に近い存在だとするならば、マンガ博物館ができあがっている現状と合わせて、絵本美術館も同時に設立していくべきだろう。

 

■論証

文化として、絵本が定着していくためにできることはあるだろうか。マンガが博物館化されたのは、クールジャパンの一環として官民が一体となって事業を進めることができたからだ。グローバリズムの中で日本文化として売り出すことができたマンガは一躍保存・発展の対象になる。日本のサブカルチャーはそのような文脈で成功を収めている。

 

■結論

絵本も同じようにとはいかないかもしれない。しかし日本には豊饒な民話があり、世界に類を見ない民俗学も発展している。その想像力が今の日本のサブカルチャーを支えている側面も大きいだろう。絵本美術館設立の運動の展開を私も一緒になって盛り上げていきたいが、その方法として、古くからある絵本の想像力と、古くからある日本のフォークロアの融合を理論立てて検証し、強みとして提示していくべきだ。

 

■結論の吟味

日本的な感性と絵本の幸福な関係を示し、絵本文化を守りたい。絵本美術館は全国にあるが、そのどれもが個人経営で、大変な状況にある。だからこそ、絵本が日本にとって大切であることをアピールし、グローバリズムの中で誇れる日本の文化として提示することで絵本文化を守り、継承する手助けをしたいと考え、貴学への入学を希望する。

 

※1坂内夏子「絵本美術館の設立~絵本と美術の関係~」『早稲田大学医大学院教育学研究科紀要』30 2020

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