議論の整理・・・
自国について客観的な評価を下すことはできない。そこで、他国において日本について言及のある文献を参照することで、日本の国際的な評価を明らかにしていくことになる。他国と地続きでない日本がこのような手法をとることができるようになったのはグローバル化の影響であると述べることができる。そして日本においては1543年に種子島にポルトガル人が漂着したことがヨーロッパ諸国との関係性の発端と言われ、太平洋を超えて地球を一周する交易が生まれたグローバル化の始まりとも考えられている。ポルトガル人でイエズス会の宣教師であるルイス・フロイスは1563年にフランシスコ・ザビエルらと共に来日し、織田信長や豊臣秀吉と会見をし、日本で布教を行なった。本国からの指示を受けて彼が残した『日本史』をはじめとした数々の著作は日本人が残した文書には見られない記述もあるなど、現代の歴史家から注目を受けている。アルファベットで記載してあることから、平仮名や漢字では読み取れない当時の言葉の発音を解読することができ、言語学の研究者からも重宝されている。
問題発見・・・
ルイス・フロイトが見た日本は、時を経るごとにどのように変化していっただろうか。
論証・・・
年代ごとに他国の人物によって執筆された日本を比較していくことで、日本の客観的な評価の変化が見えてくると考える。その中で変化する点や変化していない点、現在の日本の国際社会の中でのアイデンティティと比較してどのように異なっているのかを、仮説を立てながら検証していくことを予定している。
結論・・・
上記について貴学文化構想学部にて対外関係史に精通した伊川健二教授のもとで上述の研究を進めることを希望する。
伊川健二「大航海時代の東アジア」吉川弘文館、2007
コメントを残す