早稲田大学 文化構想学部 AO入試 志望理由書 提出例(小沼純一ゼミ向け)

議論の整理・・・

日本を代表する現代音楽家である武満徹は、その音楽の奥深さから、既に多くの研究がなされ、幅広い視点からメスが入れられている。独学で音楽を学び、映画、舞台、ラジオ、テレビなど幅広いジャンルで作曲活動を行った他、著作も数多く、政治活動にも加わった記録がある。一見すると複雑怪奇で奇妙な前衛音楽で表現しようとされている世界の大きさには幅広い層のファンがいる。中期作品にみられる東洋音楽的な多層的時間軸上の汎的指向性が彼の音楽性の特色であり、代表曲は琵琶と尺八のためのオーケストラ曲『ノヴェンバー・ステップス』である。

問題発見・・・

武満は自身で執筆した多数の著作を残している。また、新聞や雑誌にも度々音楽評を掲載していた記録がある。これらは彼の音楽の理解において欠かせない文献となっているが、作曲家自身の書籍出版は、作品自体の評価にどのように影響するのだろうか。

論証・・・

武満の前衛音楽については、説明を受けないことにはその奥深さを理解できないという懸念が大いにあるため、言葉での説明と音楽作品が一体になっていると考えることができるだろう。最初は日本国内で受け入れられなかった武満は世界の舞台で評価を得たことで世界のタケミツとなった。その際、世界で評価を受けるにあたってはやはり日本のナショナリズムを生かした東洋的な多層の時間軸の概念を持ち出したことが一因として考えられる。音楽家として才能があり素晴らしい音楽なのか、思想家として斬新であり、それを取り入れた音楽であることが評価されたのか。本人の残した著作のみならず、国内外の武満評にあたることで、考察していきたい。

結論・・・

上記の研究について、武満徹をはじめとした音楽批評に精通した小沼純一教授のもとで進めることを希望する。

小沼純一『武満徹 その音楽地図』PHP新書、2005

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